ここでまた あえるぞう!

2024年3月10日

今朝は早よからウキウキワクワク…
あの感動的な本番を、素敵なパファーマンスで支えてくださった「ちんどんバンド☆ざくろ」さんがやってくるぞう!
また、みんなに会えるぞう!


8:00 リ~ン、リ~ン(あ、違った!今はプルルル~か…)
電話のベルが鳴りました。
「おはようございます。今日のおもちゃ箱はいつもどおり10時からですよね」
「えっ、違いますよ。1時半からですよ~」
「え~~、やっぱり💦娘がそう言ったので、確認しなくちゃと思って。私はてっきり10時からだと思って」
あちゃあ、2,3日前に皆さんに送ったメールに、改めてちゃんと時間と場所をお伝えしておけばよかった🙇
そりゃ、いつもの体育館でやるといえば、いつもの時間だと思う人もたくさんいるよね。でも、ちゃんと事前に確認してくださって、ほんと良かった!
もう一度一斉メールでお伝えしておかなきゃ。

てなわけで、ヨロヨロ動き始めまして…

10:00少し前

まのじさんがやってきた。
「おはよう」「今日は晴れてよかったね」
くのいちさん、しばね、くもちゃん、びんちゃんも合流し、とりあえず、ざくろさん達が来られる前に、楽屋にする家庭科室の点検から始めましょ。

あ、マネージャーの岡村さんが先乘りだ。
駐車場はいっぱいだから、ちゃんと校庭に車が入れるように、少し車の移動もしてもらわなきゃね。
楽屋は大丈夫そうだから、お次は体育館だ。
椅子の並びは、ざくろさんたちに聞かなきゃいけないけど、とりあえず出しておきましょ。

「あ、富士山が見える!」
上の窓を開けにいったくのいちさんが叫んだよ。
そうなんです。
ここは高層団地で、いろんなところに富士山ビュースポットが…
くっきりと美しい富士山の姿に、思わず手を合わせたくなります。
今日も素敵な一日になりますように!

椅子もあらかた出し終わったところに、ざくろさんがいらして。
「おはようございます。今日もよろしくお願いいたします」
「こちらこそ」

あらあ、アンプやらマイクやら楽器やら、結構荷物もあったのに、スタッフがもたもたしているうちに、さっさか自分たちで体育館に運んでくださった。
さすが、若い!
話し合いもてきぱきと、上のステージを使うことに決定し、まずはマイク設置。

  

ざくろさんの音出し、知ってる曲が流れてきて、スタッフみんなノリノリで踊っちゃった(笑)
う~ん、でも背景がね……。
頭をひねっていたら、シバやんが一言。
「ぞう旗、貼ろうよ!」「あ、いいね」「邪魔にならない高さがいいね」
さて、受付も整って、準備完了。 

  

それじゃ、とりあえず早くお昼食べてみんなの来るのを待ちましょ。

12:30すぎ、
もう第一陣がニッコニコ顔でやってきた。
「お久しぶりっ!」
「お好きな席にどうぞ」

今回は、団員以外にもこの間の公演を見に来てくださった方やお友達もお誘いしましたが、どのお顔もほんとに嬉しそう。

13:30
ギター抱えたシバやん登場。

「みなさん、お久しぶり~。今日は音楽のおもちゃ箱・・・、あれ、何回目だっけ?」
「Ⅵだよ~」
「そっか。音楽のおもちゃ箱6(ろく)、始めるよ。最初にみんなが大好きな『世界中のこどもたちが』を歌ってみようか」
この曲も、ぞうの中ではすっかり馴染みの曲です。手話も付けて、にぎやかに始まりました。

久しぶりに声を出した人もいたのかな?

温まったところで、
「では、ざくろさん、お願いしま~す」

舞台下手の方から、本番でも演奏されたあの「美しい天然」のジンタのリズムに乗って、ざくろさん登場。

ぐるりと会場を一周し、ステージに上がっていきました。
みんな何が始まるのか、目がらんらん!

まず初めの曲は、「東京ブギウギ」
さすがの選曲ね!
朝ドラ見てる人はもちろん、そうでない人もこの曲でうんと盛り上がりました。
お次は、「ミネソタの卵売り」
「コ・コ・コ・コ・コケッコ~」とみんなが声を合わせます。
誰かが言いました。「この歌は、笑点で木久扇が歌ってたんだよ!」
へえ、そうなんだ。

その後は、リーダーの陽子さんから、メンバー紹介。

サックスは、ゲストのとんちゃん。今日はアルトサックスでの参加です。サックスの音って、ほんとに何とも言えぬ深い大人の味わいがありますよねえ。

その次はアコーディオンのあっこちゃん。右手旋律、左手和音と華麗に音を出しながら、秘密のボタンも紹介してくださって。これは、ざくろのメンバーも初めて知ったみたいで?、へえっと目が真ん丸になってました。

チンドンバンドの花形、クラリネットのあきちゃん、るるるるる~と素敵なメロディを披露してくださる、その立ち姿がいと美しいこと!

こんな風にいろんな生の音が聴けるのは、ライブならではのお楽しみですね。

リーダーの陽子さんは、チンドン(ゴロス)担当。この楽器は、お手製みたい。
陽子さんは、最初にみんなで歌った「世界中のこどもたちが」を袖で聞いていて、もう泣けてきたんだそうな。(わあい、ウルウル仲間だ~~)

ざくろの皆さんは、いろんなところで音楽の種を蒔きたいなと思ってるんだって。
はてさて、今日はどんな種が蒔かれるのかな~。期待が膨らみます。

まずは中山晋平・野口雨情の

「証城寺の狸囃子」「シャボン玉」「兎のダンス」3曲を続けて。
どれもそれぞれに本当に楽しく、美しいメロディラインで、うっとり!
リズムに乗って、思わず体が動き出す子もいましたね。

新曲の「フルーツメドレー」と称する3曲も素敵でした。
曲名が分かった人は、いたかなあ。
1曲目が「君たちキウイ・パパイヤ・マンゴーだね」
「皆さん、どんなフルーツが好き?」と聞かれ、マンゴーで手を挙げた子もいましたね。
2曲目は「レモンのキッス」
そして3曲目が「リンゴの木の下で」
懐かしいこの曲、一緒に口ずさんでいた人が何人も…


グループ名「ざくろ」のお話も飛び出しました。
ざくろって、歴史が古く、種子が多いことから子孫繁栄を願う女性に人気があり「女性の果実」と呼ばれてるみたいですね。へえ、そうなんだ!

「SING SING SING」
まあ、なんてまあ、格好いい!!

そして、最後にということで奏でられたのが「好きになった人」
思わず力が入り、立ち上がって盆踊りの振りで踊り出す人もいて、大盛り上がり。
続けて「いい湯だな」に移ると、もう最高潮。

え~、これでもう終わっちゃうの?
もっと聴きたい~!
いったん舞台のそでに下がったざくろさんでしたが、みんなが大きな声で「あんこ~る」って叫ぶものだから、その声にこたえて再登場。

さあて、何の曲を演奏してくれるのかなあとステージに注目していると・・・
「ぞうれっしゃ、歌いましょう!」
その瞬間、「え~~~~!」
歓びが大爆発!
みんなの叫びがそれこそ怒涛のように広がっていきました。

そうなんです。
実は、「今日は、歌いたいけど、残念ながら酒井さんもいらっしゃらないし、ぞうは歌えないね」とスタッフで話をしていて、来られた皆さんにもちょこっとそう伝えていたもんだから…

まさか、こんな素晴らしいプレゼントをくださるなんて!

アコーディオンのあっこさんの提案だったそうで、始まる前の打合せでも出ていなかったので、驚いたのなんのって!
後で聞くと、これはマネージャーも知らなかったそうな。

「それじゃ、せっかくだから立って歌いましょう」
はあい!
伴奏が始まると、もうスタッフはみんな視界がぼやけてしまったのであります。
歌っているみんなのどの顔見ても、なんとも幸せいっぱいの表情が満ちあふれていて…


ありがとうございました!!
いっぱい種を蒔いていただきました。ご一緒できて、本当によかったです。またぜひご一緒に!
たくさんの拍手に送られて、ざくろさんは袖に下がっていきました。

 

温かな想いに包まれながら、スタッフからお知らせ一つ。
「みなさん、川口ぞうは、いつもより早いのですが、ゆるゆる芝園の車庫を出て、酒井さんの指揮、遠藤さんのピアノで、また次回やることが決まりました!」
その途端、またまたどよめきと一緒に、大きな拍手が湧き起こりました。

「来年の6月7月の本番をめざして走り始めますが、まずは会場抽選からです。リリアも改修に入り、本当に大変ですが、何とか引き当てられるように頑張ります。皆さんも会場抽選の時は、どうか当たりますようにと念力を送ってくださいね」

「はあい!」
気持ちのこもった元気な返事が返ってきました。
実は、今日は酒井さんは残念ながら来られなかったけれど、会場には遠藤さんもいらしていたんです。すっかり仲間になって溶け込まれた遠藤さん、またどうぞよろしくお願いいたします。

その後は、ぞうれっしゃの作詞作曲のお二人が作られたミュージカル「バックトゥザ・フーちゃんⅡ」や、10月に名古屋で開かれる「象列車が走って75年」の記念企画、遠藤さんの出演される蕨のコンサートのご案内や、コロナ禍を経て実現した第15回公演までの記録集作成のことなどを伝えました。

「それじゃ、最後に、みんなで『ビリーブ』を歌おうか」
この曲は、知らない人もいましたが、最後のサビのところは一緒にと思い、まずは手話もつけて練習してみました。
♪今、未来の扉を開けるとき、アイ ビリーブ フューチャー、信じてる ♪

みんな真剣に手話に挑戦し、明るい声がこだましました。
日本でも世界でも、本当に大変なことばかり起こっているけれど、私たちはこの歌に想いをこめ、手を取り合い、心を繋ぎ、未来を信じて進んでいきたい。
そんな祈りを深く込めて、みんなで歌い終わりました。

  

 

それにしても、なんと幸せなひと時だったことでしょう。
帰り際、大人も子どももみ~んな「ざくろさん、楽しかった~。酒井さん、遠藤さんとまた歌えるなんて、本当にうれしい!」と満面の笑みを浮かべ、弾んで体育館を出ていきました。

ああ、よかったなあ。
釜焚きスタッフも、いっぱいエネルギーもらって、また明日から元気に頑張れそう‼
今度会う時は、この子はどれだけ大きくなってるかな?
楽しみ、楽しみ…

みんな、元気でいてね!

また会える日を、楽しみに待ってる🐘

 

Text by あのじ
Photo by くのいち、まのじ、U子、びん、

 

【追伸】

遠藤さんから、皆さん宛に、次のメッセージが届きました。

♪♪♪♪♪

皆様、昨年7月のコンサートはありがとうございました。
皆様の歌声とても素晴らしかったです。
また次回のコンサートに向けて頑張ってまいりましょう。
よろしくお願いいたします。

先日ご案内いたしました、4月21日の私出演のコンサートについてですが、

もしお越しいただける場合は、当日受付にチケットをご用意させていただきますので、受付にて「遠藤のご関係」であることと「ぞうれっしゃ」とお伝えして、お代をお支払いの上、チケットのお引換をお願い申し上げます。

何卒よろしくお願い申し上げます。

ここで また あおうね!

2023年9月10日

待ちに待ってたこの日。
前々日に関東地方を襲った豪雨は、日常生活も生業もすべてを押し流していったけれど、だからこそ、被災地に想いを馳せながら、元気に集まれる幸せな時間を大事にしなければね…

事前に集まった参加予定は、なんとまあ100人を超えちゃった!
来られない人も泣く泣く「参加したいけど、できな~い、残念」と熱いメッセージ付き。
驚くことに、本番のステージで歌えなかった人も、どうしても参加したいと言われて…
こんな同窓会は初めてのこと。それだけの熱い想いが集まろうとしてるんだね。

体育館で100人超えるんじゃ、これまでの同窓会のようにゲームで遊ぶこともできないし、小さいグループを作るのも難しい。どうしようか。
スタッフは、う~んと唸りながらみんなで一生懸命話し合ったけれど、結局、「ま、会場の設営だけ確認して、その場の進行は集まってきたみんなの様子で決めるしかないよね」の結論に(笑)

そんなこんなでバタバタ迎えた同窓会。

午前9時前
「おはよう!」
「暑いねえ」「湿度高いよねえ」
もう、情けないけど、最近のご挨拶は、これしか出ない💦
階段を上がって、まずは窓開けから。
椅子は、わのじさんが、いつもと違う形できれいな半円にセッティング。
扇風機の位置も、みんなに風が行くように、ちょっと工夫しなきゃ。

  

あ、シバやんSが大荷物運んできたぞう。
ぞう旗、プログラム、DVDセット、こあ、決算書…
重かったでしょ。ありがとう。
「ごめん、着いていきなりで悪いけど、マイクと本番の音楽CDセットして流してくれない?」
「あいよっ」とシバやんはフットワーク軽く音響設備のある舞台の方に向かって行ったんだけど…
あちゃあ!
「大変、マイクが分解されてる~」「ピアノも開けっ放しで鍵盤のカバーも半分外れてるよ」「CDかけても音が出ない」etc.
シバやん苦心惨憺。そこにモリヤンも加わって、えんやこら。

その間、女性陣は柱の壁や肋木を使っての飾りつけ作業。
3年間の停車期間中に、スタッフが一生懸命みんなをつないできた「こあ」の冒頭ページ、これをU子さんが鮮やかな色彩で模造紙にまとめ…
100枚も集まったお客様アンケートは、柴ねさんが全部データで打ち込み、そのほかにぞうのメールに届いたものは、まのじさんがきれいにレイアウト印刷してくれて…
それらが貼り出されていくのを見ているだけで、いろんな場面が甦って涙ぐみそうになるけど、ここは我慢我慢…

 

あ、マイクつながった!
あ、1番が流れてきた。ああ、よかった。これで集まってくるみんなにも本番の演奏を聞いてもらえるね。ホッ。
シバやん、もりやん、お疲れ様!

9時45分
「わあ、お久しぶり!」
「元気だった?」
「すごい本番だったねえ。ほんとに」
暑い中、あちこちで、50日ぶりの再会を喜び、あの日の感動を確かめ合う姿が広がって…
受付終わっても、お話に夢中になって、DVDセット引き換えるの忘れないでね(笑)

わあい、酒井さんがやってきたぞう。
あ、嶺井さんも発見!
「おはようございます!」
「遠藤さん、先ほど連絡あって、体調崩されたようで。楽しみにしていらしたんですが、ごめんなさい。皆さまによろしくと」

10時
あちこちで話に花が咲いているようだけど、そろそろ始めようか。
「皆さん、お久しぶりです。お元気でお過ごしでしたか」
まずは、あのじからご挨拶。
この間、スタッフの周りでは、次々とコロナ感染が広がり、今となってはあの本番が無事に終えられたこと自体が奇跡だったとしか思えないこと、今日こうやって、本番には出られなかった人も一緒に集まって同窓会を開くのは、川口ぞう始まって以来の事で、しかも100人を超える人が集まると言われて本当に驚いたこと、それはとりもなおさず、練習から本番にかけて、酒井さんに導かれ、みんなの想いが一つになって酒井さんの指揮棒に向かったからこそ実現したと思うこと、などなど。
聞いてる誰もが、ほんとに明るい笑顔で、ああ、みんなこの日を随分と心待ちにしてくれてたんだなあと思うと、しょっぱなから鼻の奥がつ~ん!

次は、くのいちさんからの決算報告。
「ステージを創り上げるためにはいろんなお金がかかったけど、みんなが最後まで一生懸命声をかけてチケットを1枚1枚売ったおかげで、こんな結果になりました」本当にそう。当初予定の川口市助成金が少し減らされたのは残念だったけど、それはチケットがたくさん売れた結果だから、みんな誇っていいよね。

決算報告も無事に終わり、さあて、これからはギターを持った渡り鳥、歌う軍人シバやんに進行はお任せ~。
いきなりギターをかき鳴らしたかと思うと、
あらま「♪髪の毛が薄いと許されないなら~~」なんて、まあ自虐的な。
「戦争を知らない子ども達」の替え歌から始めるのね(笑)

「じゃあ、みんなで乾杯しようか!水筒のない人は、エアー水筒用意してね」
「もりや~ん。乾杯の発声、お願いします」
もりやん、しずしず(?)登場。

「みなさん、酒井さんの素晴らしいご指導で、こんなにも感動的なコンサートを一緒に創れてほんとによかった。がんばったね。乾杯!」
かんぱ~い!
かんぱ~い!
大人に交じって、かわいい声も聞こえます。
恐らく、いろんなところで乾杯する場面があるだろうけど、水筒での乾杯って、きっとないだろうなあ(笑)
でも、コロナ禍の中で成功させた喜びを分かち合うにはぴったりの形で、後々までに記憶に残る乾杯だったと思いません?


シバやん再びギターを手に取り歌い始めた曲は、「世界中の子どもたちが」
これは、学校の教科書にも載っていて、うんと前に川口ぞうでも手話をつけて歌った曲だよ。
「お~い、子ども達、前に出ておいで!」
「寺ちゃんもだよ~!」
シバやんの呼び込みで、一人、また一人と前に出ていき、恥ずかしそうな寺ちゃんも混ざったところで…
頑張った子ども達、そして寺ちゃんに、大拍手!
パチパチパチパチ👏👏👏

大きな拍手を送る大人と、照れながらも誇らしそうな子ども達がいて、一瞬にして体育館は幸せな空間に早変わり。
なんか、いいなあ。

 

一言ずつ感想やお名前を話してもらった後に、シバやんが持ち出してきたのは、毎回、子ども達の練習で随分と活躍してくれた、あの「けん玉」セット。
「ほら、お得意のあのワザ、やって見せて!」
お~。お見事!

 
最初は一人ひとりバラバラだったのに、こんな風にけん玉なんかやりながら、少しずつ仲間になっていった子ども達。遊びが、あの本番でのあの声を創ってくれたんだね。
今やしっかりと川口ぞうの一員になった子ども達の明るい笑顔は、大人達の心も温かく包み込み、何物にも代えがたい宝物となりました。

次に「若者たち」の曲に載せて呼び込んだのは、あの日、裏方で一生懸命がんばってくれた、中学生から20代までの正真正銘の「川口ぞうの若者たち」。
恥ずかしがって、何人か出てこなかったけれど、それもまた良し。無理して出てくることもないし、深いところでつながっているものね。
前に出てきた若者たちは、一人ひとり川口ぞうとの関わりや自分の想いをしっかりと伝えてくれて、小さかった時のやんちゃな彼らを知る大人の瞼は熱くなり…。
初めて少女を担ってくれたかれんさん、少女を歌ったことで、これからの生き方にもずいぶんと大きな影響があったそうな。

ほろりとしたところで、少し休憩。
「どうぞゆっくり寛いでください。よろしければ壁の展示もご覧くださいね。」
あ、さっきの若者連、勝手にギター借りて歌い出してる(笑)
みんな、一緒に歌っておいで!

 

 


11時5分 休憩終了。

後半戦は、頑張って練習したのに、当日はコロナに罹り来られなくなってしまったOさんの感想からスタート。
「Oです。私が初めて子どもと一緒にぞうを歌ったのは、酒井先生の時でした。今回も練習では素晴らしい酒井ワールドに触れ、本当に楽しく、本番をとても楽しみにしていたのに、コロナにかかっちゃって。モギリのリーダーも頑張ろうと思っていたのに…。ほんとに悔しくて、Wさん親子と打ち上げ兼残念会をしに、カラオケに行ったんです。そしたら、なんと歌集の中にぞうの10番が入っているのを見つけて、熱唱してきました!」
え~。カラオケに、10番が入ってるんですか😲
知らなかったなあ。
そっか、Oさん、こんな形でリベンジしたんですねえ。

みんなが目を丸くしているのを見たシバやん。
「はい、じゃあ、みんな立って、片手を挙げて」
おや、何が始まるのかしら?
「じゃんけんやるよ。僕に負けた人は座ってね」

 
5度目の対戦が終わって、立っている人が10人くらいになったところで、
「はい、今立っている人達はすごく幸運な人たちなので、前に出てきて一言ずつ幸運をみんなに分けてあげて!」
ぞろぞろ、ぞろぞろ
前に立った幸運さんたちは、それぞれ「お福分け」を果たすべく、その後も、フルートの嶺井さん、親子3代6人で参加したHさんご一家、男性陣からも初めて参加のOZさん、OOさんのお二人がそれぞれの言葉を紡いでくれました。
そのほかにも、病を克服しての参加となったKさん、初めて大人のパートに挑戦したHちゃんも、この日を楽しみに待っていて、元気に報告してくれました。

   

「今度はね、1回目からずっと歌っている人、手を挙げて」
はあい!
おやおやスタッフの数人だけね。
代表して、呼びかけ人の一人で、今は遠隔地に転居し、ポスター・チラシ作成はじめ、いろんな仕事を一手に引き受け、がっちり裏を支えてくれたスタッフのまのじさんから。
この33年間、決して軽々やれてきたわけはないけど、まのじさんにかかると、とてもふんわりと優しい気持ちになれて嬉しかったな。

今回の団員一人ひとり、130通りの参加の仕方があれば、130通りの想いがあって…
ああ、もうこんな時間になっちゃった。ほんとは集まった全員に、ゆっくりお話聞きたいけれど聞けない😢

本当に残念だけど、酒井さん、最後にどうぞお願いします。
酒井さんはゆっくり前に進み、
「皆さん、お久しぶりです。お元気でしたか?実は僕も、この間コロナに罹ったんです」(え~~!)
酒井さん、まずは子ども達に向かって、「本当に素晴らしかったね。ありがとう。」(またまた大拍手👏👏👏)
「そして、それを引き出してくれた寺ちゃんにも感謝です」
(またまたまた大拍手👏👏👏)
酒井さんは、川口ぞうの指揮を引き受けたときの気持ちや、練習をかさねて迎えた本番では、舞台を裏で支えてくれる人たち、これまでに川口ぞうをつないでくれた人たち、いろんな状況の中でどうしても一緒にステージで歌えなかった人たちの心もしっかりと受け止めて、祈りを込めて指揮棒を振り下したことを語ってくださり…
やんちゃな子ども達も、酒井さんの溢れる想いが伝わってきたのでしょう。誰一人騒ぐ子もいません。

 

「僕がこだわった3番。遠藤さんがいらっしゃったら、ここで弾いていただくのですが、あの前奏は、実は春に向かって行くメロディーなんですね。それが冬の街にと続いていく。一体どうやってイメージを創るか。お客様を白いキャンパスに例えたとしたら、20年前の僕は、前奏が終わった途端に全ての絵が描かれていることをめざしたでしょう。でも20年経って変わりました。白いキャンバスに一つひとつ色を置いていけばいいと。そしてそれを見事に大人の皆さんがやり遂げてくださった。本当に素晴らしかった。ありがとうございました。あの演奏は、皆さんが頑張ったから生まれたのです。」
酒井さんの言葉が胸に届き、この間の練習や本番のひとコマ、ひとコマが脳裡に浮かんできたのでしょう。あちこちで、うっすらと涙ぐむ姿が…

 

「時間が来ましたが、まだどうしても話しておきたい人、いませんか?」

「はい!」まっすぐに手を上げたのは、アルトのIさん。
「私は、1回目と2回目に家族と一緒に出ましたが、今回参加できて本当に良かったです。酒井先生に心からお礼をお伝えしたいと思います。来てくれた元参加者達も、前のものとは全く違う、感動して涙、涙だったと言っていました。ぞうれっしゃの意味が十分伝わったと思います。私は合唱をやっていますが、あこがれの先生のご指導を受けられ、素晴らしい演奏ができて本当に幸せでした。ご指導によって子どもたちの力が爆発的に引き出されることもわかりました。ほんとうにありがとうございました」

終ったとたんに、拍手とともに、ほおっと大きなため息が聞こえてきました。
そうです。みんなそれを酒井さんに伝えたかったのです。
前に立つと、ドキドキしてうまく言えずにもどかしかったんです。

時間がなくなったけれど、最後にスタッフから皆さんにお伝えしたかったこと。
今日お配りした「こあ」のタイトルにスタッフの想いを込めて…
「ここで また あおうね」
今日この場に集まった人全員が、また元気にここで会えますように!

同窓会はこれで終わり。
けれど、一言酒井さんに感動を伝えたかったのか、酒井さんを取り囲む輪が、しばらく途切れません。
しんがりは、本番が終わってから、都幾川へ引っ越したRちゃん。
「今度の学校には合唱部がなくてつまんない」というRちゃんに、酒井さんからとっても素敵な約束ひとつ…
「ゆびきりげんまん、嘘ついたらハリセンボン飲~ます、指切った!」
はい、ちゃあんと見てましたよ。いつかその約束が果たせて、みんなにそのお話できるといいね(^^♪

この日、何人もの人とハグをし、ハイタッチをし、目を見交わして…
「本当はスタッフの皆さん、みんなに前に出ていただき、一人ひとり胴上げしたかった!」
帰りしなにこんな言葉もかけてもらえて、スタッフ一同、幸せ過ぎて返す言葉も見つかりませんでした。

23型式ぞうれっしゃ、この素敵な連結車両をつないできたすべての人に乾杯!

それじゃあ、またね!

Text by あのじ
Photo by くのいち、ホープ森山、U子、びん、まのじ

わあ~い!!

2023年7月23日

関東地方は、前日が梅雨明けだったそうな。

(えっ、まだ明けてなかったの?)

そう思ったくらい7月に入ってからは暑い日が続く中、熱い練習をつみ重ね、ついに本番の日を迎えました。

朝一番にみんなの胸に去来したものは、どんなことだったでしょうね。
ようやっと本番を迎えられる嬉しさ、誇らしさ、緊張感…
一抹のさびしさを感じた人もいたことでしょう。

8時半

くのいちさんとあのじは埼玉会館へ向かいました。
ホールの搬入口では、鍵あけを待つ舞台関係のスタッフさんたちが早くも勢ぞろい。
「おはようございます。今日はよろしくお願いいたします」
そんなご挨拶をして、楽屋入口へ。

9時少し前

楽屋入口付近にも、たくさんの団員スタッフの姿がありました。

今回は部活があって練習に出られないので、本番は歌わずにお手伝い組に入ってくれた中3のYi君もパパと一緒に来てくれました。
ママからは「せいぜいYiをこきつかってやってください」って連絡を受けていたので、よおっし遠慮なく(笑)
Yi君以外にも、Yu君M君兄弟がパパと一緒に待機し、それに団長のひろ君も加わって、中高大生そろい踏み。
ああ、この子達、ほんとに小さい時からいっぱいやんちゃして怒られて、それでもニコニコやってきて、それがみんなパパの背を超えて会場設営のメンバーまで担えるようになるなんて…
もうそれだけで、ウルウル。
いかんいかん、こんなところで泣いてちゃ。

9時

くのいちさんが受付で鍵を受け取りました。
「はあい、皆さん、それではホワイエの方へ移動してください」
ぞろぞろ入っていきます。
まずは、まのじさんから舞台設営とホワイエ設営についての大まかな動きの説明がありました。

  

あとは、それぞれ必要な作業を開始。
あ、柴ねが作ってくれた客席や楽屋貼り紙、貼りにいかなきゃね。
そうこうしているうちに、渋滞に巻き込まれていたシバやん車が到着。
たくさんの荷物があるから、若者隊みんなで行って運んできてね。楽屋の飲み物もすごく重いから気をつけて。置き場所は、くのいちさんの指示を受けてね。

ホワイエは、ふのじが総監督。
今回、一番苦労したのは、どこかしら?
がんばれ、がんばれ!

   

  

 

子ども達が作ってくれた折り紙、一つ一つ丁寧にパネルに貼りました。

    

ホワイエは、少しずつ明るく胸はずむ空間に変わってきました。

      


ぞう旗ももちろん飾りました。
何を思ったか、子ども係も兼ねる3人娘、突然その前で手をつなぎ、組体操開始。ピ~っ!(笑)
ここは、その後も完全に撮影スポットと化しました。

   

そんなこんなしながらも、ホワイエが完成。

表看板もこんな風に出来上がりました。
このかわいい子ども達の絵は、今回参加できなかったSさんが、わざわざ前日にあのじの家のポストに届けてくれたもの。ステージに乗る団員だけではなくこんな風に応援してくれる人たちの想いも重なり合って、本番が形作られていったのです。

 


11時45分

弁当屋さんが来ました。舞台スタッフさん達に食べてもらうためのお弁当です。楽屋の方にお願いしましょう。

12時

プログラムにチラシを折り込む作業開始。集合時刻よりも早く来て、すでに受付を済ませた人が何人も手伝ってくれました。

12時半

団員集合時刻となりました。

「みんな、集まれ~!」
ひろ君が声をかけてくれました。

「3人、まだです~」
「え~っ」
「どうしたのかしら」
名前を見ると、いつも仲良し3人組。
どうやら、3人とも集合時刻を1時だと勘違いしていたようで(笑)
「すいませ~ん」と駆け込んできた様が、なんともかわいらしかったこと!

そんなこともありましたが、とりあえず全員揃いました。
残念ながら一生懸命練習してきたのに、体調不良で参加できなかった人が2人。
いつも椅子を並べてくれていた健ちゃんと、もぎりのリーダーをお願いしたOさん。
ここまでがんばってたのにと、さぞや無念だったに違いありません。そんな二人の想いも乗せて一緒に歌いますからね。

舞台監督の井関さんからの話や当日の動きの確認。

 

各パートのリーダーさんをご紹介した後は、客席移動までには少し時間があったので、皆さんにはホワイエで自由に展示物をみてもらうことにしました。

     

子ども達が次々と団長のひろ君に甘えて駆け寄っていきます。
かつては甘える側だったひろ君が、今は甘えられる側で子ども達を優しく見つめている…
ずっとやってきたメンバーは、バタバタ動きながらも、こういう場面に立ち会える喜びもしみじみと噛みしめていたのであります。

  

13時15分

「はあい、集まってください!」
パートごとに荷物を持って客席へ移動していきました。
先頭と最後尾は、さっき紹介したリーダーさん達。

13時半

改めて井関さんからの話が終わって、いよいよリハーサル開始。まずはステージへあがり板につきます。今なら飲み物も持って行っても大丈夫。
15日の練習の時には並べなかったスタッフも入れていただいて…(すみません、おじゃまします)
思ったよりもステージは暑く感じられました。
子ども達、大丈夫かな?

酒井さんが指揮台にあがりました。
子ども達は、酒井さんの指揮者姿が珍しかったと見えて、なんだかんだ言うのが聴こえてきました。

さ、がんばろう!
ピアノの音と共に
「サーカスだ、サーカスだ、サーカスがやってきたぞう」

緞帳があがっていきます。
あれ?
 「最後はぞう~~~って延ばさないでね」って、酒井さんのお願いあったよね。頼むよ~、子ども達。
大人も少しドキドキしてきました。
緞帳の開くタイミングもあるので、ここはなんどか繰り返し確認して、と。

次は2番。

本番の衣装を付けた少女が出てきました。かわいい髪飾りは園長さんのお連れ合いお手製のつまみ細工。それをまのじさんが衣装と合わせてこんな風にアレンジしてくれました。

   

3番以降も、何度か気になる所を返しながら、流れていきました。
子ども達はちょっと疲れている様子。
リハーサルが終わったら、ゆっくり休もうね。
音響さんは、前回の練習の時にタイミング等は確認ができましたが、照明さんは、どんな場面でどんな色になって客席から見えるのか、このリハーサルでしか確認できません。緊張が走ります。

そんなステージを支えてくれていたのが、自らチケットも買いながら、全部見られないことを承知で来てくれる協力スタッフさんたちでした。
本当に感謝してもしきれない人たち、この人たちがいなければ、本番は安心して歌うこともできません。
その協力スタッフの打合せは、リハーサルの裏で、すでに始まっていました。

3時

団員がリハを終えて楽屋へ移動している頃に、少しずつお客様が受付外に集まり始めました。受付の外にも椅子があるので、まだ少しお待ちいただけるかな。

3時45分

開場までにまだ45分あるし、今回は暑いせいかそんなに早くから足を運ぶ人が少ないようだけれど、一挙に膨らむかもしれません。そうならないように、ホワイエの中に入って3列で並んで開場を待っていただきましょう。並ぶのが辛い方には椅子をお勧めしてね。
モギリや花束受付も準備できたようです。にこやかに明るく!

    

4時15分

やはり想定していたとおり、お客様が一挙に並び始めました。まだ舞台監督の指示は下りてきません。会場内の安全を考えるとその指示がなければ開場することもできず「すみません、あと少しお待ちください」というしかありません。
列を整理する係から伝令がきました。「もう蛇行させても会館の外に出てしまいそうです。早く開けられませんか」

それを聞いて、急ぎ別の伝令を飛ばしました。
「あとどのくらいで開けられますか?」
「4時半ジャストです」
ああ、もう少し頑張らなくては…

4時半

「お待たせいたしました。開場します」
まずは、危険のないように車いすでお待ちの方から。

「ようこそお越しくださいました。どうぞごゆっくりお進みください」

一斉に、けれども慌てずに、次々とお客様が客席に向かいます。
チケットはおかげ様で満席完売。1週間前からチケットコントロールをし、当日券も販売しないことを決め、2階席も最初から開けることとしていたので、恐らくは混乱することがないはずと思ってはいるものの、一抹の不安がよぎります。
しかしそこは、黄色い腕章をつけた会場係が見事にさばいてくれて、混乱なく客席が埋まっていきました。

5時

上手の客席ドアから「ちんどんバンド☆ざくろ」の皆さんが賑やかに登場。
待ってました!

ここからの2時間、どんなに会場全体に心豊かで濃密な時間が流れたことでしょうか。

第1部の最後に、ざくろさんたちはサーカスの定番曲である「美しき天然」を演奏し、第2部のサーカスの場面へとつないでくれたそうです。

15分間の休憩をはさんで、第2部へ。

いよいよ私達の出番です。

並び終えた緞帳の内側では、心なし青ざめた表情も見受けられました。
大丈夫!酒井さんを見ていたら、絶対に歌えます。
だって、なかなか練習に集中できず、一番怪しかったスタッフも、リハーサルですっかり自信を持てましたから!
ステージの上はすべて準備が整っていたのに、いろいろと確認事項があって、なかなかスタートの合図が送られなかった間も、酒井さんは気持ちをほぐすように、優しく微笑み、ここまでの練習で育んできた信頼感が、ステージ全体を大きく包み込んでいきました。

さあ、緞帳があがり、ピアノの音が始まりました。

「サーカスだ、サーカスだ、サーカスがやってきたぞう!」

わあ、子ども達、なんて素晴らしい。
何回も何回も練習の時に酒井さんにお願いされたことが、本番では完璧にできたではありませんか!
リハーサルの時の不安が一挙に吹き飛んでいきました。
酒井さんは、本当にうれしそうに、何度も👌の合図を子ども達に送っていました。
よし、これでもう大丈夫。

最初の曲を歌い終わったとたん、拍手が沸き起こりました。
その勢いに乗って、2番から11番まで、どんどんとボルテージがあがっていきます。

ピアノ遠藤さん、フルート嶺井さん、クラリネット眞塩さんは、最高のコンビネーションで合唱を支えてくれました。
少女のソロも園長のソロも、圧巻でした。
軍人も猟友会も、しっかりと役割を果たしてくれました。

そして、何よりも子ども達!本当によく頑張りました。
出だしから最後まで、疲れていたであろうに、リハーサルのときの心配をものの見事に吹き飛ばし、酒井さんのお願いに応え、お客様全員の心を鷲掴みにするような、それはそれはすばらしい歌声でした。
終演後、たくさんの感想が寄せられていますが、どれもが子ども達のすばらしさに拍手を送ってくれています。

支える側の大人も同じです。
本番直前のリハーサル室で、3部に分けての最後の練習を経て廊下で待機していた時の、なんともやり切った顔、顔、顔…

  

本番も楽譜がなくて不安だと言っていた人も合わせ、終わってみれば楽譜も見ないで、みんなが酒井さんの棒に声と心を託して、全身全霊で歌い切りました。

クライマックス、子どもたちの「わあい!」が弾け飛んだとたん、会場中から万雷の拍手が鳴り響きました。

それを受けてのカーテンコール。
伴奏、キャスト、子ども達、ベース、テノール、アルト、ソプラノの紹介にたくさんの拍手が送られました。

それに続き、酒井さんの呼びかけに応え、スタッフ側を代表してあのじが前に出ていきました。これまではコンサート本番で前に出ることをよしとしていませんでしたが、酒井さんのスタッフへの厚い信頼がずしっと伝わり、文字通り心を繋ぎ一体となってこのコンサートが創り上げられてきたことを共に歓び合いたいと思ったからです。

拍手が鳴りやまない客席を向いて、酒井さんが語り始めました。
「この11曲を全力で演奏して終わるつもりで、全くアンコールは予定していませんでした。しかし…」
酒井さんから、急遽団員に向かって、「一番大切なメッセージを伝える11番、~こどもたちの笑顔が~と大人が子ども達に呼びかけるところから再度歌ってフィナーレとしましょう」ということが伝えられました。

その途端、誰もが驚き、そして嬉しさで胸がいっぱいになりました。
第1部を飾ってくださったざくろさんたちも、モリヤンの呼びこみに応え、それぞれの楽器を持って、再登場。
予定もしていなかったアンコールに会場中が沸き立ち、子どもたちの大歓声が響き渡る中で、静かに緞帳は下りていきました。
ああ、本当に本当にたくさんのお客様と一緒に、歌えたんだ!
酒井さんとのハグで、これまでのことが走馬灯のように脳裡を駆け巡り、大変な時に一生懸命支えてくださった方や、心繋ぎながらもこのステージに乗れなかった方たちのいろいろな顔が浮かんできました。
ほうら、ご一緒に歌いましたよ!
たくさんの拍手をいただきましたよ!

興奮冷めやらぬまま、2023型式川口ぞうれっしゃは、無事に終点にたどり着き、芝園の車庫に入りました。
しばらくはメンテナンスに時間をいただきますが、この機関車、経年劣化で相当傷んでおりましてね。
果たしてこの先どうなるのでしょうか。
川口ぞうの運命やいかに!(べべん、べん、べんっ)

でもね、今回は大きな収穫もありました。
最初にご紹介したように、川口ぞうが始まったころは生まれてもいなくて、小さかった頃に親に連れられぞうにやってきて、時にはさんざん怒られながらぞうで育った子ども達が10代、20代の青年になり、その子達が自発的に今回のコンサートの成功のためにキビキビと動いてくれるようになったことです。

また、明るくお目にかかれる日が来るといいですね。
それまで皆さま、どうぞ元気にお過ごしくださいますよう。
じゃあ、またね。

Text by あのじ
Photo by くのいち ホープ森山 U佳 U子 K子 ひろ あ

2023型式ぞうれっしゃ、まもなく終点で~す!

7月15日

朝起きて、いの一番に空を見上げると…
「おお、天ハ我ニ味方セリ!」どうやら、ピーカンは避けられたみたい。
思わず、ほっ。
前回の灼熱地獄のような練習を経験した私達にとって、そのことがどんなにありがたかったことか!

8時15分

あ、もう誰かいる気配。
「おはようございます!」
なんと、本日の一番乗りは、音響スタッフのFさんとIさんでした。
「早くからどうも。本当にお久しぶりです!」
「5年振りですねえ」
音響さん、照明さんはじめ、私たちはこれまでも何人ものプロの方たちの力を借りて、ステージを作ってきました。今日はそんな方たちとご一緒に、最後の調整をする日です。
音響機材の車は、もう少ししたらやってくるようです。
その間、あ~だこ~だ、他愛もない話をしていると…

あ、団員さんの第1号到着。なんと最高齢のSさんじゃありませんか!
「私、8時半に行きますから」とは言われていたけど、ほんとに来てくださったんだ。「おはようございます」思わず駆け寄りました。
Sさん、張り切って持参の軍手をはめて、指示を待ちます。
そうこうするうちに、何人か集まってきました。

では、資材の車が来る前に、体育館に行って、椅子を出していただきましょうか。
本番並みにやるということで、ほんとは椅子は出さない予定でしたが、やはりこの暑さ。まずは体調を崩さないようにしなければということで、実際の並びの間隔で椅子を配置。
みんなほんとによく動き、みるみるうちに、大人は4列の舞台ができあがってきました。

 

9時15分

「ふ~」と言いながら、階段を上る音が聴こえてきました。
「受付をすませたら、先ずは2階に行って、体を冷やしてください」
そうなんです。
3月からの練習再開後、大人は2階は使っていませんでしたが、今日は特別。熱中症予防で体を冷やすための部屋をつくって、いつでもクールダウンできるようにしておくことにしたのです。

10時

準備が整いました。酒井さん、遠藤さん、フルートの嶺井さん、今回初登場のクラリネット眞塩さんもステージ上でニコニコ。

今日は並びから始めるので、体育館の後ろの方で、体操やりますよ。
「寺ちゃ~ん、お願いします」


体操が終わって、モリヤンの指示をうけて並び始めました。
さて、どこに立ったらいいのでしょ。
ちょっと自信ないなという方、楽譜を持って一番後ろはかえって大変ですよ。
酒井さんの指揮をかぶりつきで観たい人は、前にきましょうか(笑)
とりあえず本番では変わることを前提に、暫定の並びができました。


まずは、舞台スタッフの皆さんをご紹介。

   

その後に、伴奏陣も改めてご紹介して、と。

 

酒井さんは、団員の体調も気がかりな様子。
「皆さん、この暑さです。歌いながらでも水分を取りたくなったら、構わずにとってくださいね。さあ、子どもたち、まずは子ども達の曲からいくぞう。がんばってよ!」

最後の練習、よくぞここまで。
そう思うと感無量な人もたくさんいて、ほんとにしょっぱなから熱い空気が流れています。

ここは、酒井さんからいただいたメールをご紹介しましょうか。

☆☆☆

(私)頑張って❗️

(子供たち)頑張る‼️
のコンタクト、

そして、疲れている中、気持ちを奮い立たせてくれる🎵子供たちの歌声❣️
………思わず涙がでました。

本当に素晴らしい子供たちです。
寺ちゃんのサポートも、本当に有り難いです❣️❣️

☆☆☆

  

 

  


子ども達は、いったん休憩に降りていきました。

    

   


大人は気になる所を順次さらっていきました。
これまで不安に思っていたことも、酒井さんの丁寧な説明を聞いて解消できたようです。

 


子ども達が戻ってからは、10番、11番。そして、いよいよ…
「では、子ども達、もうちょっとだからね。最後まで通して歌ってみるからね。よろしくね」

    

もう、最後の最後まで酒井さんと伴奏陣、団員一人ひとりの魂と魂がぶつかり合うような、そんな濃密な時間が過ぎていきました。
いつまでもこの時間が続いて欲しい…そう思った人も多かったのではないでしょうか。

ここも酒井さんのメールがすべてを物語っていますので、いただいてしまいます。

☆☆☆
もちろん、大人の合唱も✨素晴らしくなりました。
棒(指揮)の反応も良くなり、非常にやりやすいです。
また、ダイナミックレンジの幅も広がり、言葉のエネルギーや、言葉と言葉の行間も良くなり、かなり説得力のある演奏になってきており満足しています。
まだ、あと少しの問題はありますが、それは皆、当日解決できる事ですので、当日のお楽しみ…ということで…。
とりあえず今日までのことはやり尽くした、と安堵しております。

実は、今日帰りがけ、嶺井さんと、眞塩さんから、
「演奏していて😢涙が出てきました」との言葉をもらいました。
本当に数多くの本番を経験し、またレベルの高いアマチュアからプロの演奏家と共演している二人ですが、その二人からの嬉しい言葉です。
合唱団への最大の賛辞だと思います。

指揮者も伴奏者も団員も、それから裏を支える人たちも、その場に来られない人たちも、みんなで心を繋いで埼玉会館大ホールに集いましょう。

☆☆☆

この日、チケットもぐ~んと伸び、もう満席は確実になりました。チケットはストップします。
ここにくるまで、たくさんの方たちに支えられ、本当によく頑張ってきました。
どこの組織に頼ることもなく、団員一人ひとりが、短い期間の中で、不安をいっぱい抱えながらも、自分の言葉で語りかけ、自分の想いを伝え、一枚一枚チケットを手渡ししてきました。
みんなで創り上げてきたその結果が、今回の満席のお客様をお迎えできることにつながったのです。

本番では、そうやってお迎えするお客様とともに、会場全体で私達の想いを紡ぎ合うことができることが本当に嬉しくてなりません。

ステージを裏で支えてくださる方、いろいろな事情でどうしてもステージに乗ることができなくなってしまった方、当日はその場に来られないけれど、しっかりと心を繋ごうとしてくださる方、そんな方たちのすべての想いもぎゅっと詰め込んで、2023型式ぞうれっしゃは、いよいよ終点の埼玉会館に近づこうとしています。

今回は間違いなく、川口ぞうの歴史に残るすばらしいコンサートとなることでしょう。そんな予感に胸が震えます。
あとは、悔いの残らないように、本番までしっかりと体調を整えて、酒井さんの指揮に応え、全身全霊で私たちの想いを歌い上げたいと思います。

よぉ~し、最後までがんばるぞう!

 

Text by あのじ
Photo by くのいち ホープ森山 U佳 U子 あ

【追伸】

「当日の動き」や「持ち物」など、最後にまのじさんが説明したことは、もう一度よく読んで、「あ、しまった」とならないように、準備を整えてくださいね~。

【おまけ】
いろんなぞうさんもスタッフと一緒に付いてきたようです(笑)

     

           

 



暑っついぞう!

7月9日

九州・中国地方は、またもや大変な豪雨災害に見舞われています。
「かつてなかった」ことが、日常になっていることの怖さ、ひしひしと押し寄せてきます。

そんな中、関東地方は梅雨明けもしていないのに、焼けつくような日差しが照り付ける日々が続き…

9時前

汗だくだくで研究所にたどり着くと、ほのじさんがもう到着していました。
じきに、くのいちさんもやってきて、開口一番、
「あっついねえ」
ほんとに、今日の練習を象徴する一言(笑)

体育館に入ったとたん、むうっ!
わあ、早く窓を開けなくちゃ。
いつものように健ちゃん、わのじさんが、黙々といすを並べ始めました。
今日は、受付で、プログラムに載せる名前の最終点検をしなければなりません。

設営が何とか終わりました。

  

9時半すぎから階段を上って次々に体育館に入ってきましたが、誰も彼もが入るや否や、異口同音に「あっち~。もうここまで来るのに、エネルギー使い果たした~」

モリヤンもびんちゃんも、設置された大型扇風機の前で一旦停止!

「あ、ステージにも一台ね!」
くのいちさんが思い出しました。
そうだった。ピアノの遠藤さん、汗で指が滑ってしまうから、そばに扇風機を置いておかなきゃいけなかったんだ。

10時

寺ちゃんの体操。ちょっと動くだけで、汗が吹き出しそうになります。

10時5分。

今日の指導はモリヤン。前と同じように指揮をしながら園長ソロとの二刀流。がんばって!

最初に、みんなが気にかかっているステージでのマスクの事や楽譜の事の説明から始まりました。
説明が終わった後は、今回は、とにかく少しでも本番の状況がイメージできるように、本番と同じように全曲立って、通して歌ってみることになりました。

子ども達も5,6,7番で座りますが、それ以外は、同じです。さあて、ちゃんと立ってられるかな?

「もちろん、調子が悪くなったりした場合は、ちゃんと左右の袖で控えているスタッフがいて、すぐに対応しますから、安心してください」と、前回も来てくださった舞台監督の井関さんが説明してくれました。井関さんは今回はスタッフの大島さんと一緒に様子を見に来てくださったのです。


暑い中で疲れもあるでしょうに、真剣な表情で歌う子ども達。

 

大人だって、負けてはいられません。
ところどころ、止まりながらでしたが、何とかモリヤンが最初に言っていた45分で歌い終わりました。

   

しばし休憩。みんなのお顔は真っ赤です。
これは大変、水分をきちんと補給しなくては…

子ども係が判断して、もう子ども達はその後の練習は止めて、エアコンのきいた部屋で休むことにしました。

  

大人は、思い思いに休んでいましたが…
休憩の後に戻ってきた遠藤さん。
「ここから結界だあ」と、おそるおそる体育館に足をそっと踏み入れているその姿が、なんともユーモラスでしたが、笑ってばかりもいられない。
ほんと、もう体育館は湿度も100%超えてたんじゃないかしら(笑)

そんな中だけど、大人はもう少しがんばって!

まずは1番の出だし、「♪サーカスは~」のところ、ちゃんと酒井さんを見ていないと、しょっぱなから乗り遅れてしまうぞう。

口の形もそのときになったら慌てて作るんじゃなくて、ちゃんとその音を予め用意しておかなきゃetc.etc.

5番、6番。ごめんなさい。あちこちウロウロでちゃんと聞けませんでした。

次は…

あ。もう、これ以上は無理ですね。

ということで、本日の練習はこれにて。
モリヤン、遠藤さん、そして皆さん、本当に暑い中、お疲れ様でした。

今日は、あ~、う~のこととか、男声、女声の入り方とか、最終的なことをお伝えしようと思っていたのですが、きちんとした話ができなくてごめんなさい。

本当に最終練習になってしまいますが、15日にきちんと酒井さんと確認して、お休みの人にもお伝えしていきますからね。
不安な人もいらっしゃると思います。
でもね、大丈夫。何度も繰り返してますけど、大人も子どももみ~んな酒井さんを見ていれば、ちゃんと歌えますから。

伝えたいこと、伝えなきゃいけないこともいっぱいあるはずですが、すみません。
ブログも今回は暑さで力尽きました…
本日は、これにて。

15日、伴奏のフルートもクラリネットも、効果音も入った本番さながらの練習になります。いよいよ本番が近づいたって感じる日ですよ~。
暑さ対策もおなか対策も万全にして、元気に来てくださいね。

チケットもみんなの頑張りで、すごくよくなってきました。
埼玉会館に置いてもらったチラシが、もう少ししか残っていないそうですよ。
最後までがんばって声かけをして、会場全体で心に残る素敵な本番をめざしましょうね。

Text by あのじ
Photo by くのいち ホープ森山 U佳 U子 あ

【こんな一コマ】

別室で東京新聞の取材を受けていたS親子3人組とそれを見守っていたホープちゃん、子ども達が騒いでいる傍らで、こんなお茶目なショットで(笑)

 

ぞう旗だぞう!

7月2日

「豪雨被害が発生しています」
そんなニュースが流れる中、研究所へ出発。
どうか、くれぐれも被害の小さからんことを!

 

9時前

あ、前を歩いているのは、くのいちさんだ。
「くのいちさ~ん、おはよう!」
「あ、おはよう!」
「今日もほんと、暑いね」

研究所には、いつも施設管理でお世話になっているY先生の姿が。
この先生、最初はぞうのことはご存じなかったけれど、練習再開した後に体育館から流れてくる歌声を聴き、とても感動して下さった方。
「いつもお世話になっています。きっと素敵なコンサートになります。どうぞ聴きにいらしてください」
来て下さるかなあ。

体育館は、やっぱり暑くて、まずは窓を開け放しましょ。
少し椅子が並んだところに、シバやんとU子さんが段ボールを抱えてえっちらおっちら。

「ぞう旗、もってきたぞう~~」


この「ぞう旗」、初演の後に、まだ2回目もやるかどうかも決まってない頃、芝園団地の15号棟下のピロティで、子ども達が大騒ぎして作った旗なんです。
懐かしい川口ぞうの歴史がギュッと詰まってる大事な宝物。
「せっかくだから、舞台のバトンを下ろして付けようよ」
「そうだよね」
早く来ていたM子さんとRちゃん親子も、張り切って設営に参加。

全くの偶然だったのですが、実はM子さんは小学校4年生の時に手や足にいっぱい絵の具をつけて、一緒に旗を作った仲間だったのです。
今回M子さんは、お母さんのSさんと一緒に、親子3代で30年振りに合唱に参加してくれていますが、このSさんこそ、当時旗作成の音頭を取った人だったんです。
旗を見つめるSさんの目は、心なしか潤んだように見えました。

受付も込み合ってきました。

来た人は、でかでかと飾られた「ぞう旗」にビックリ!
何人かが写メを撮り始めました。

そうだ、今日はこのことを練習の初めに伝えましょ。

ご挨拶の後、「ぞう旗」を紹介した時に、
「この旗を30年前に作った人は手を挙げてください」と呼びかけると、
「はあい」とM子さんの隣でY子さんの手が挙がりました。

当時M子さんと同じ小学4年生だったY子さん。今は横浜に住んでいますが、M子さんからぞうを歌うという話を聞き、とても懐かしくなって、娘のYiちゃんと25日の練習の時に、はるばる見学に来てくれたのです。
ところが、遠くだし、見学だけのつもりが、帰り際に「どうしても歌いたい」というYiちゃんの強い希望で、今日から急遽練習参加となった次第。

聞けば、なんとRちゃんとYiちゃんは、ママ達がぞうを歌った時と同じ小学校4年生だというではありませんか!
文字通り「ここにくればあえるね」を地で行くような話で、もう嬉しくて飛び上がってしまいました。
皆さんからも、大拍手!

ぞう旗の話から長くなってしまいました。

あ、今日は舞台監督の井関さんも来てくださっています。ご紹介しなくちゃ。本番は、この方の指示が出なければ、幕も開きません。
「よろしくお願いしま~す」

「さあて、じゃあ始めるよ!子ども達、1番からやるよ。頼むよ、よろしくね!」
ピアノの音に導かれ、子ども達の声が体育館中に響き渡りました。
「サーカスだ、サーカスだ、サーカスがやってきたぞう」
「いいねえ」
酒井さんの顔がほころびます。

子ども達、朝から全開のようです。
元気な歌声につられて、衣装を身に着けた団長のひろ君がさっそうと登場しました。

子ども達、嬉しそう!

そんな1番が終わり、2番へ。
園長のセリフを受けて、切々と「ぞうを売らないで」と団長さんにお願いするかれんさん。清楚な立ち姿、想いを必死に訴えかける眼差しが目を惹きました。

歌い終わった途端、大きな拍手が…

「あれ、ここは拍手があるところでしたっけ?」
酒井さんが、そんなことをとぼけた顔で言ったものだから、思わずどっと沸きました。

この拍手、ひょっとすると「前に出てきて少女役を担うかれんさん」から「みんなが愛しいと思って送り出すかれんさん」に団員の心持ちが変化したことを伝えていたのではないかしら…
酒井さんからは、より物語性を持たせるために、かれんさんの衣装についての提案も出たようですよ。本番が楽しみですね!

その後は、3番の「雪よふるな」から9番の「ぞうをかしてください」まで、何度も立ち止まりながら続けていきました。
園長のソロも軍人のセリフも入りました。

子ども達と分かれたあとは、大人の方は再び3番へ。

酒井さんからは、どの曲の時も、「ピアノの音をよく聴いて!」という指示が何度も出されます。
確かに!
ピアノの音が、一体何を表現しようとしているのか、酒井さんの言葉に従って注意深く聴いていると、「音」の中に、いろいろな情景や感情が見えてくることを知りました。

それから、美しいハーモニーを創り出すために大切なこと、教わったことを意識して実際に声に出してみる中で、少しずつ「気持ちの良い響き」が体の中に入ってきました。

「う~」や「あ~」や「お~」のところをどう歌うか、男声、女声がどう分かれるか等、都度その時の声の状況を元に出されてきた細かい指示は、もう一度9日のモリヤンの練習の時に改めて確認しましょう。

   

 

下へ降りていった子ども達。どんな様子だったのかな?
きっと言葉で書くよりも、写真をお見せする方が、伝わってきますね。
本番会場のホワイエに貼り出すための子ども達の写真を撮りにいったはずのふのじまでが、こんな風に遊んでいました(笑)

    

  

再び合流の後は、8番から11番まで、一気呵成に。
最後の子ども達の「わあい」の歓声、本番では一体どんな拍手に包まれるのでしょうね。想像しただけで、ワクワクしてきます。


先日Wさんががんばろうと呼びかけてくださったこともあり、みんながんばって、チケットもぐんと伸びてきました。

作曲の藤村さんからも、愛知から直筆で熱いエールが届きました。

今日は、前回取材に来て、楽譜を買って帰った朝日の浅田記者が再びやってきて、追加取材。もうすっかり「ぞうの病」に罹ったようです(笑)
さあて、果たしてどんな素敵な記事が飛び出してくるのでしょうか。
楽しみに待つといたしましょう。

本番まであと20日

コロナ、インフルエンザ、ヘルパンギーナ、あれやこれや流行っているようですが、くれぐれも十分に気をつけて、2023川口ぞうれっしゃが終点まで元気に走っていけるように、みんなで力を合わせていきましょうね。

 

Text by あのじ

Photo by くのいち ホープ森山 U佳 U子 あ

 

受付には、こんなTシャツも売られていました。
これは、長い間Tシャツを作ってくれたKさんちに保管してあったのですが、この際放出します(笑)これも歴史の一コマかな?

 





 

すごいな、子どもたち!

6月25日

今日も暑くなりそう!
行き帰りの道は、カンカン照りじゃないといいけれど、みんなどんなふうにやってくるかな?きっと通りの右に左にと、「陰を慕いて」くるんじゃないかしら。

そんなことを思いながら集会所に向かいましたが、いつもは一番早くに来て鍵を開けるのを待っていてくれるHさんの姿がみえません。
その頃Hさんは…
実は、こんな素敵なことがあったようです。

📩

今日は、朝15分前に着きました。ネジバナを見つけて写真を撮っていると、「何かあるのですか?」と声をかけられました。


中国の母子で、「こんな小さな花なのにラン科の花で」と話すとびっくりしていました。
それから、「今日は合唱の練習がある」と話すと「歌はいいですね!どんな歌をうたいますか?」と問われ、どう言えばいいか…
でも気付くと「平和の歌です」と答えていました。
すると、「いいですね!平和は大事です」と、そして「頑張ってください」と言われました。
こんな素敵な出会いがある芝園団地、ここで練習できる私たちは幸せだなあと思った朝でした。

そして始まった子ども達の練習、歌も頑張っていますが、折り紙でぞうさんを作ったり、コンサートで飾って!と可愛いメッセージを手渡されたり、気持ちがひとつになってきたことを感じています。

 

Hさんのこのメールを読んだとたん、目頭が熱くなりました。
そうなんです。今日の主役は、間違いなく子ども達…

9時

いつものように設営開始。
モリヤンの一番の心配は、駐車場のこと。今日は果たして大丈夫でしょうか。

  

9時45分
受付がごった返してきました。
「チケット代金、この封筒に入ってます」
「はあい」
「すみません、チケットあと3枚下さい」
「すごい!がんばってますね」

そこへ「おはようございます」と飛び込んできたのは、朝日新聞の浅田記者。
音楽が大好きで、自らピアノも弾くというこの方、初めてぞうを聴くそうな。
溌剌としていて、取材と言えども、なんだかワクワク楽しそう(笑)

「よろしくお願いします」
「こちらこそ!」
みなさ~ん、お顔の準備はいいですか~!

10時

寺ちゃん体操の後は、今日も子ども達は別室へ。
子ども議会の役決めも待っています。
「いってらっしゃ~い。がんばってきてね」

送り出された子ども達、中には緊張の入り混じった表情の子もチラホラ。


「では、大人の皆さん、始めましょうか。まずは、4番のパートで分かれるところからやってみましょう」
酒井さんの指摘は、いつも変わりません。でもそれを受け止める団員一人ひとりの意識が随分と変わってきました。歌詞の読み込み方も違ってきました。
前回、今回と隣の人の音が聴こえる練習を通して、みんなでハーモニーを創り、支える歓びが歌声に乗って伝わってきます。少しずつですが自信が持てるようになってきた様子も…

やがて、7番、そして5番へ。

 

ドタバタ廊下を行き来していると、ときどきどっと沸くような大きな笑い声も聞こえてきます。思わず覗くと、おやまあ、どの顔も「しあわせ」そうな素敵な笑顔に包まれているではないですか。
一体何がおかしかったのでしょうか。
よく見ると、取材をしている浅田さんも大きな口を開けて笑っています。(ちなみに彼は、「練習を聴いていたら、とても欲しくなって、ぞうの楽譜を買いました~」と帰りがけに伝えてくれました…笑)

今回も団地に住む何人もの人達が、何をやっているのかと入口まで来て帰って行かれました。用事があって練習に遅れたTさんも「ああ、私このままずっと聴いていたいなあ」と言って、練習会場に入っていきました。

そのころ、子ども達は…
寺ちゃんの指導で、8番を歌い始めました。
歌もセリフも、誰がやっても大丈夫なように、みんなで声を合わせます。

その後は、改めて、議長、セリフ、ソロと立候補の子を確認しました。
議長役は2人が立候補。
2人とも落ち着いた気持ちのよいキビキビした声で、きりっとした眼差しが本当に美しく、どちらがなってもおかしくありません。


ソロは3人が立候補。
ここはモリヤンにもお願いし、まずは一緒に、その後は一人ずつ歌ってみたりしました。

みんな家で一生懸命考えてきたのでしょうか。セリフも何人か手が挙がりました。
いざ発表の時には立ち会えませんでしたが、「どの子もみんなが主役の子ども議会、がんばろうね」という寺ちゃんの言葉をしっかりと全員が受け止めてくれたようです。
ソロは、結局立候補した3人が一緒に歌う「ソリ」の形をとることになりました。

 


子ども達が戻ってきました。
まずは、大人の人達に、決まったばかりの議長やセリフ、ソリのご紹介から。
どの子もちょっぴり恥ずかしそうにご挨拶していましたが、拍手を受けて、きっと心の中はうんと気持ちが高まっていたことでしょう。

 

 

「じゃあ、8番やってみるよ!」
歌い出したとたん、
「いいねえ、子ども達。すばらしい!」
酒井さんから褒められて、声がまた一段と乗ってきました。
すごい!

大人の間からは、思わずはあっと息を吐く音が…
子ども達の歌声の変化を感じながら、この声を支える大人の役割の重大さを改めて感じたのではないでしょうか。
そう、頑張らなくちゃね。

9番、10番、11番
子ども達は、やはりどの曲も一味違っていました。
思わず酒井さんが頭を下げて、
「寺ちゃん、ありがとうございます」
「いえいえ、ちっとも」と、照れて手を振る寺ちゃん。
30年以上続けていても、毎回、集まる子ども達は違っていますから、マニュアルなんかないのです。
ここまで来るのに、寺ちゃんと一緒に、子ども係の本間さんや、川口ぞうで歌いながら成長した優佳ちゃん、和歌ちゃん、望ちゃんたちも、本当に頑張ってくれました。
仮に子ども達の声が良くなっていると感じられたとしたら、それは決して「子ども達にちゃんと歌わせる、やらせる」という姿勢ではなく、「慌てずに子ども達と落ち着いた信頼関係を創っていく」ということを大切にしてきた結果であり、恐らくそのことはこれからもずっと続いていくのだろうと思うのです。

川口ぞうの枕詞「いのちと平和と子どもたち」を掲げて…

 

次回は7月2日。体育館へ戻ります。
間違えないでね。

 

Text by あのじ
Photo by くのいち あ

【おまけ】

チケットもがんばろうね!


【今日は何の日】

80年前の1943(昭和18)年6月25日は、戦争拡大にともない、軍需部門を中心に労働力不足が深刻化したため、東条内閣が「学徒戦時動員体制確立要綱」を閣議決定した日です。これにより41年に結成された学校報国隊は強化され、戦技・特技・防空訓練を図り、女子は救護訓練を行うこととなったそうです。