祈りをこめて

あれから7年。
帰還云々と喧伝されるけれど、復興って何かなと考えさせられる日々。
今日こうやって、曲がりなりにもみんなが元気に集まり、ぞうれっしゃを歌う時間が持てること。
何の変哲もない日常の暮らし。そんな暮らしを続けられることがどんなに幸せなことか。
今日の練習では、改めて「いのちと平和と子どもたち」へ思いを馳せながら、祈りを込めて歌える日にしたいなあ。

と、スタッフは心に秘めつつ…


いつもの練習会場と違うと、ありゃりゃの連続で、朝から大車輪。
9時前にはすでに集会所のカギを開けてたくのいちさん。
わのじさん、ほのじさん、びんちゃんと一緒に、設営開始。




「あ、脱いだ靴を置くとこがない。新聞紙いるわ〜!
「はあい。じゃあ、学校の玄関に練習会場の変更の案内を貼りがてら、一度家に帰って取ってきます〜。」
「悪いわねえ」
「イエイエ」


戻ったら、今度は
「あ、子どもたちの歌詞カード忘れた。また取りに行ってくるね」(これは自業自得)
バタバタ、バタバタ


「あ、ホワイトボードに貼るのに、マグネットがない」(さっき一緒に気づけばよかった・・・)
ドタドタ、ドタドタ


さすがにこれでおしまいだろうと思っていたら、みんなが完成したばかりのチケットチラシを手渡ししやすいように並べ始めていて。
「あ、依田さん、大和さんのチケットがない!」(あちゃあ。別のところにしまっておいたんだった)

すたこら、すたこら


追加で往復すること4回(アハハ〜)。
これでもう大丈夫か?


そこにモリヤンから電話。
この集会所にはピアノはないので、モリヤンは88鍵のキーボードや椅子を積んで車で運んでくる役なのだ。
「もうすぐ着きます。どこにつけますか?」
「ここの裏ね。何人手が要りそう?」
「3人かな」
「了解!」


えっちらおっちら。


あ、ピアノを載せる台、足ががたがたしてるよ。これじゃあ、揺れて弾きにくい。どうしよう。
「いいです。これでやってみます」と大和さん。
あいスミマセン。

とりあえずはやっと準備完了。はじめるぞう!
スタッフ一同、顔を見合わせ、ホッ。もうひと練習した後みたいだね(笑)


まずはみんなで今日の練習への思いを確認した後に、体操、発声そして前半は「1番」「11番」。
分かれるときには
「大人の皆さんは3番と11番やります。子どもたちは11番をやってください」
はあい。
と元気よく、子どもたちは寺ちゃんを先頭にちょっと小さい別室へ。




大人は前回初めて歌った3番から開始。
お、今日は男声いつもよりいいんじゃない?
前回さみしかったテノールが増えて厚くなった感じ!



この歌は感情移入がしやすい分、先走りしちゃうところもあるんだよね。気をつけなくちゃね。
音も上がったり下がったりして、音程を取りにくいところもあるけれど、予め準備をして(学校の用意と同じで、これが大事!)、探りながら目的地の音にたどり着くことのないようにしようね。


言葉のまとまりや開き方閉じ方。
今日、唯一ほめられた(笑)「なみだ」のように、やればできるのだもの。
いつも忘れずに、その箇所にきたら意識して歌えるように、メモ、メモ!


ああ、3番終わらないうちに、時間だよ〜。
気がつけば、春へ突入。
大人は次回は3番やって、こんどこそ予告の11番から、5番へ行くみたいだぞう!
がんばろうね。


子どもたち、今日は狭い部屋でエネルギーが発散できなかったかな。
何をしてたかな。




みんなで集まって歌った11番。
大人はキチンと練習できなかったけれど、前回は1番から10番までつながったので、これで少し流れが見えてきたかな。




いよいよコンサートのチケット、チラシも出来上がってきたよ。
初めてさんは、まだ全体も見えないのに、ちょっとびっくり、大変だって思ったかな。


でもね、川口ぞうは、一度たりともチケットをノルマにしたことはないの。
「一人○枚ずつお願いします」と言えれば、どんなに楽だろうと思ったことは、これまで何度もあったけれどね。
その意味がどうか団員のみんなに伝わって、一人一人が思いを込めて、大切な人に手渡せますように!


次回は、3月25日。会場は、いつもの場所に戻るぞう〜。
みんなが元気に来るのを待ってるぞう〜!


Text  by あのじ
Photo by くのいち