闇(やみ)を さいて 走れ!

kawaguchizou2016-03-27

(練習の時は満開に近いかな)
なんてヒソカに期待していたけれど、ぶり返した寒さの前に、学校前の桜は、まだまだ縮こまったまま。
(あ〜、残念。次回の練習前には、散ってしまうだろうな…)



子どもたちも春休みに入り、いろんなところへお出かけした人もいたかな。
スタッフも子どもの練習担当の寺ちゃんとモリヤンが来られず。


という状況の中で、始まった本日の練習。
まずはMさんのリードでしっかりと体を伸ばし、それを受けて、声を支える部分を意識した大和さんの発声練習へ。



その間、受付は、大和さんの指導でどんどん変わっていく声を聴きながら、お金を数えたり、チラシを渡したり、てんてこ舞い…


発声の後は、いつもと違って、子どもと大人が一緒になって、最初から歌ってみることになって。
1番、サーカスのうたから。


シバやんの団長さんは、毎回ぞうさんたちの登場の仕方が変わるけど、今回は「卒業証書」をもって登場。
そうそう、卒業、卒園の季節。子どもたちの中にも、何人かそんな子がいたね。
おめでとう!これからも元気で明るい日々を過ごせますように!


何て横道それちゃって…
それちゃったついでに。
本日のシバやんは、歌をつなぐために、団長さん以外に、モリヤンに代わり、園長さんのセリフも担当するなど、大車輪の活躍でしたよ。


4番まで歌った後は、子どもたちは体育館へ。
いつもと違って、練習をしないで、30分間遊びだけの時間…のはずだったんだけどね。
移動する最中に、「私、メロディだけだったら、弾けますから、10番やりませんか」と、Yさんから嬉しいお申し出あり、急遽みんなで10番を歌ってみることに。
口三味線で前奏を歌って、ただ単に「せ〜のっ」ていう掛け声だけの拙いリードだったにも関わらず、子どもたちはあっち向いたり、こっち向いたりしながらも、よく付いてきてくれたね。




2回くらい通して歌ってみたとき、ふと子どもたちに聞いてみたくなって、
「ねえ、みんなはぞうれっしゃよ急げ、闇をさいて走れって歌ってるけど、闇をさいて走るって、どんなことかわかる?」


〜子どもたち、ちょっと考えてる風〜
「トンネルの中かな?」
そうだねえ。
「じゃあ、闇ってなんだろう」
「暗いこと」
そうだねえ。


そこで「はいっ」って手を挙げた4年生のY君。
「戦争のことだと思う。闇をさいてっていうのは、戦争が終わって、平和で明るいところへ行くっていうことかな」
と、はにかみながらしっかりと自分の考えを伝えてくれたのね。


その答えを聞いたとたん、その場にいた大人全員、激しく気持ちが揺すぶられ、涙ぐんでしまったのであります。


今まで、私たちは何を感じて、ぞうれっしゃを歌ってきたのだろう。
これこそ、私たちが今回のコンサートに込めた思いそのものじゃないの!
夜行列車だという「知識」があるばっかりに、当たり前のように夜の闇しか浮かんでこなかったんじゃないの?
「頭でっかち!」そんなことを突き付けられたんじゃないの?


恥ずかしさも襲ったけれど、こうやって子どもたちに教えられることで、「あ〜、ぞうれっしゃを続けて来てよかった。」という思いがあふれました。
そして、改めて背筋をビシッと伸ばすことができたことに、心から感謝した瞬間でした。


子どもたちが戻って、9番から11番をさらって、本日の練習は終了。
子どもたちへお願いひとつ。
いつも前に貼ってる歌詞カード(今朝、はのじさんとほのじさんが一生懸命補修してくれて、破れがなくなってしっかりしたんだけど)もうそろそろ、依田さんの方もしっかり見てね。




一生懸命タクトを振る依田さんの前をハイハイする小さな子。
依田さん、ニコニコして曰く。
「こんなほほえましい練習ができるのも『平和』ならばこそですね。」
ホントにそう。


そういうことが、来てくださるお客様にも一緒に感じてもらえるような、「心」の深いところでつながりあえるような、すてきな本番をめざしたいな。
そのために必要なこと。いろいろあるけど、みんな、わかってるよね(笑)。
よろしく頼みますぞう!


次回は、4月10日。
それぞれに新しい生活のステージが始まってるかな。
風邪ひかないで、花粉症にも負けないで、元気に来てね。
待ってるぞう〜!



Text  by あのじ
Photo by はのじ