春はどこまで?

kawaguchizou2016-03-14

真冬よりも寒くなったような気がしてしまう今日この頃。
ついつい首も縮んで背中も丸くなりがちですが、
寒さの中でも子どもたちはいつも元気いっぱい。
今日もいいお顔で挨拶してくれました。


今日13日は東大寺二月堂のお水取り。
国の安寧を祈って今年も底冷えの中行われたことでしょう。

水とりや氷の僧の沓の音   芭蕉


満開だった梅は、冷たい雨の中散ってしまったけど、
ふと気づけば沈丁花の香りがそこここに、
木蓮が空に向かって羽ばたくように咲いています。
春はちゃんとやってきている。
子どもたちは、もうすぐ春休みですね。



















さてさて今日の練習は?



いつもの体操と発声練習の後、元気に4番と1番を歌ってから、
子どもたちは張り切って体育館へ。














寺ちゃんの指導の下、今日は初めて9番の「ぞうをかしてください」を歌いました。






大人たちは、大人だけで歌う4曲の中でも一番の聴かせどころ、
3番「雪よふるな」を約1時間みっちり練習しました。


冷たい雨が雪へと変わる冬の街、
動物園売られて行くゾウたちと、
寄り添うゾウ使いの娘たちの姿を切々と歌い上げるこの3番はなかなか手ごわい。


思いを込めて一生懸命に歌おうとすると、
つい言葉のお尻のほうが強くなり、
声が平べったくなって、
かえって切なさが伝わらなくなってしまいます。



依田さんは優しく辛抱強く指導してくださいます。
とても辛い場面だけど、歌い手側は悲しみに浸るのではなく、
思いを込めながらも、
「冬の街を、ぞうが歩く」
「雨に濡れて、ぞうが歩く」
淡々と物語の語り手のように歌うことが大切。


頭ではなんとか理解しても、歌ってみると…難しい〜(-_-;)


そこで、大和さんのミラクルアドバイス
思いが伝わるよう歌うには、
言葉の始まりをはっきり、エネルギーを持たせて発声する必要がある。


言葉の塊、センテンスを意識して、
一区切りごとに衝立を超えるよう歌わないといけない。
だからといって、
ただ大きな声を出せばいいわけではなく、
例えるなら水の中から掌で重い砂を掬い上げる感じ。


そこで、
♪冬の〜♪街を〜♪ぞうが♪歩くって、
みんなで砂を掬う動作をしながら歌ってみると、
あ、
ちょっと深い声が出てるかも?


「すごくよくなったところがたくさんあります。
これを忘れないで次の段階へとつなげていきましょう。」と依田さん。
大和さんからは、
「次の練習の前に、
前回やったことを復習して、思い出してから来るようにしてください」と
的確な駄目押し。肝に銘じます。


上から子どもたちが戻ってきて、
練習したばかりの9番を歌ってくれました。
「素晴らしいね。でも、最初のぞうをもっとはっきり歌ってみて。」と依田さん。
すると、♪ぞうを♪かして♪ください・・・
ちゃんと衝立を超えている!
大人たちが頭であれこれ考えて煮詰まっていたことを
いとも簡単にクリアしてくれます。
すごいなぁ、子どもたち。
そのあとの
♪ぞうをまだ見たことのないのところも、
♪ぞうを〜って伸ばさないようにするともっと素敵になるかも。






練習のしめは全員で11番を歌いました。
子どもたちの元気いっぱいの歌声の後、
♪こぉどもたちの笑顔はぁ、と大人が続けると、
すかさず依田さんから、
「さっきの練習を応用してください。」
そうだった、砂すくい砂すくい…。すぐに忘れてしまう大人でした。









今日のおさらい、

♪華やかな〜Haあ母音は、
もっとほっぺの筋肉を使って口角を上げて歌うこと。
♪動物たちが土仏にならないように。
♪胸弾むのHaはもっと高めに弾ませて
あ母音を意識して。
♪ピエロは腹筋を使って遠くに飛ばすイメージ。
そして、水中砂すくいですよ。


復習しておきましょう!


ではまた、3月27日に!ここにくればあえるね〜♪


TEXT BY ゆうのじ
PHOTO BY はのじ