試される「いのち」へ

kawaguchizou2016-04-24

朝一番にカーテンを開けると、かなりの強い雨
いつもならみんなの移動を思って、(あ〜あ)とため息の一つもでるのだけれど、大変だなんて、九州で避難生活をされている人たちを思えば申し訳ないかぎり。
今この瞬間、何事もなく集えることに感謝し、心を寄せて練習しなければ。


そんな思いで鍵を開けるとまもなく、「おはようございます」と、わのじさんKちゃん親子がやってきて、キビキビと設営開始。
ありがとうね。ほんとに。
何気ないいつもの光景が、きょうは心に染みるなあ。


10時、体操が始まるころになって、みんなアタフタ駆け込んできた。



お〜い。早くおいでよ!
「えっ!遅れるんですか?」 あはっ、今回もくるると間違えた人がいる〜。
今回から「こあ」担当のY〜こさんが、練習日のお知らせを分かりやすい形に変えてくれたから、そっちで確認してね。


まずは4番から。
「こどもたち、ぞうのお鼻は?」「なが〜い。」「からだは?」「大きい」「目は?」「やさしいよ」
そうだね。それがちゃんと伝わるように、歌ってね。
言われりゃ、すぐにギアがチェンジできるのはすごいけど。
ついでに、歌詞もちゃんと覚えようよ。
ま、これは大人の方に言えることかな。
大人が入って分かれるところ、「ぼくたちといつまでも〜♪」なのに、
子どもだけで歌う「これからはいつでも」とまちがえて
「こくたちと〜」とか「これたちと〜」なんて混じって聞こえてくるよ。



さて、子どもたちが体育館へ行ったあと、大人は6番、7番。
ここでも、歌詞の確認を1つ2つ。
飛ぶのは、「銃声」じゃあないの。「銃弾」だよ。
古い楽譜の人、「おなかをすかして」から「すかせて」に変わってるからキッチリ直しておこうね。


「つみもない どうぶつたちが めのまえで ころされた♪」
ナレーションで語るように伝えて、そのあとの園長に「動物たちよ許してくれ」という気持ちを託せばいいのね。
ここはピアノの音が入らず、どうやったら音が下がらないか、大和さんと何度もやってみたけれど、「発声のときに音の切り方を伝えたように、音をふわんと上げて切りながら、口蓋の奥でしっかり支える」わかったかな?


それからね、自分の思いで勝手にテンポをつくったり、音符をつくっちゃうのもよそうね(笑) 
指揮者をみて、ピアノを聞いて、周りの音も聞いてね。
なんて、偉そうに言ってるあたしが一番怪しい。
ま、最後は、みんなで歌えば怖くないって、開き直るしかないかな〜(依田さん、ごめんなさいませ…)。






再び子どもたちが戻ってきて8番、11番。
元気な声を聞くと、なんか、もうウルウルばっかし。


合唱として成立するためには、自分が泣いたり、気持ちを込め過ぎちゃいけないんだろうなと思いつつも、ここでこうやってみんなで元気に歌えることのありがたさを、どう伝えたらいいのだろう。




どうか、地震で助かった「いのち」が、そのあとの対応で無残に失われていくことが繰り返されませんように!


地震で獣舎が破壊され猛獣が逃げ出さないように、
動物園の人たちは地震直後から大変な思いをされていると報道では言ってて、それは本当に大変な事態に違いないけれど、動物園の人たちはなんとかしようと昼夜兼行で体を張って頑張ってらっしゃる。
それと比べると、もしかして、もっともっと怖いものあるんじゃないかなあ…
「いのち」が試されてるよね。




先が見えずに困っている人や動物の「いのち」や「日常のくらし」を守ることと合わせて、
もはや「災害列島」ときちんと受け止め、根本対策を取るために、知恵も知識も、お金も労力も、そのためにこそ使っていかなきゃいけないんじゃないかなあ…

次回は5月8日。 こんどこそ、場所は「くるる」だよ〜。
子どもたちは、役決めもするけど、メッセージとか絵とか書けるように、自分の使いやすい筆記具もってきてね。
飲み物も忘れずに。
待ってるぞう〜!


Text  by あのじ
Photo by はのじ