ぞう旗だぞう!

7月2日

「豪雨被害が発生しています」
そんなニュースが流れる中、研究所へ出発。
どうか、くれぐれも被害の小さからんことを!

 

9時前

あ、前を歩いているのは、くのいちさんだ。
「くのいちさ~ん、おはよう!」
「あ、おはよう!」
「今日もほんと、暑いね」

研究所には、いつも施設管理でお世話になっているY先生の姿が。
この先生、最初はぞうのことはご存じなかったけれど、練習再開した後に体育館から流れてくる歌声を聴き、とても感動して下さった方。
「いつもお世話になっています。きっと素敵なコンサートになります。どうぞ聴きにいらしてください」
来て下さるかなあ。

体育館は、やっぱり暑くて、まずは窓を開け放しましょ。
少し椅子が並んだところに、シバやんとU子さんが段ボールを抱えてえっちらおっちら。

「ぞう旗、もってきたぞう~~」


この「ぞう旗」、初演の後に、まだ2回目もやるかどうかも決まってない頃、芝園団地の15号棟下のピロティで、子ども達が大騒ぎして作った旗なんです。
懐かしい川口ぞうの歴史がギュッと詰まってる大事な宝物。
「せっかくだから、舞台のバトンを下ろして付けようよ」
「そうだよね」
早く来ていたM子さんとRちゃん親子も、張り切って設営に参加。

全くの偶然だったのですが、実はM子さんは小学校4年生の時に手や足にいっぱい絵の具をつけて、一緒に旗を作った仲間だったのです。
今回M子さんは、お母さんのSさんと一緒に、親子3代で30年振りに合唱に参加してくれていますが、このSさんこそ、当時旗作成の音頭を取った人だったんです。
旗を見つめるSさんの目は、心なしか潤んだように見えました。

受付も込み合ってきました。

来た人は、でかでかと飾られた「ぞう旗」にビックリ!
何人かが写メを撮り始めました。

そうだ、今日はこのことを練習の初めに伝えましょ。

ご挨拶の後、「ぞう旗」を紹介した時に、
「この旗を30年前に作った人は手を挙げてください」と呼びかけると、
「はあい」とM子さんの隣でY子さんの手が挙がりました。

当時M子さんと同じ小学4年生だったY子さん。今は横浜に住んでいますが、M子さんからぞうを歌うという話を聞き、とても懐かしくなって、娘のYiちゃんと25日の練習の時に、はるばる見学に来てくれたのです。
ところが、遠くだし、見学だけのつもりが、帰り際に「どうしても歌いたい」というYiちゃんの強い希望で、今日から急遽練習参加となった次第。

聞けば、なんとRちゃんとYiちゃんは、ママ達がぞうを歌った時と同じ小学校4年生だというではありませんか!
文字通り「ここにくればあえるね」を地で行くような話で、もう嬉しくて飛び上がってしまいました。
皆さんからも、大拍手!

ぞう旗の話から長くなってしまいました。

あ、今日は舞台監督の井関さんも来てくださっています。ご紹介しなくちゃ。本番は、この方の指示が出なければ、幕も開きません。
「よろしくお願いしま~す」

「さあて、じゃあ始めるよ!子ども達、1番からやるよ。頼むよ、よろしくね!」
ピアノの音に導かれ、子ども達の声が体育館中に響き渡りました。
「サーカスだ、サーカスだ、サーカスがやってきたぞう」
「いいねえ」
酒井さんの顔がほころびます。

子ども達、朝から全開のようです。
元気な歌声につられて、衣装を身に着けた団長のひろ君がさっそうと登場しました。

子ども達、嬉しそう!

そんな1番が終わり、2番へ。
園長のセリフを受けて、切々と「ぞうを売らないで」と団長さんにお願いするかれんさん。清楚な立ち姿、想いを必死に訴えかける眼差しが目を惹きました。

歌い終わった途端、大きな拍手が…

「あれ、ここは拍手があるところでしたっけ?」
酒井さんが、そんなことをとぼけた顔で言ったものだから、思わずどっと沸きました。

この拍手、ひょっとすると「前に出てきて少女役を担うかれんさん」から「みんなが愛しいと思って送り出すかれんさん」に団員の心持ちが変化したことを伝えていたのではないかしら…
酒井さんからは、より物語性を持たせるために、かれんさんの衣装についての提案も出たようですよ。本番が楽しみですね!

その後は、3番の「雪よふるな」から9番の「ぞうをかしてください」まで、何度も立ち止まりながら続けていきました。
園長のソロも軍人のセリフも入りました。

子ども達と分かれたあとは、大人の方は再び3番へ。

酒井さんからは、どの曲の時も、「ピアノの音をよく聴いて!」という指示が何度も出されます。
確かに!
ピアノの音が、一体何を表現しようとしているのか、酒井さんの言葉に従って注意深く聴いていると、「音」の中に、いろいろな情景や感情が見えてくることを知りました。

それから、美しいハーモニーを創り出すために大切なこと、教わったことを意識して実際に声に出してみる中で、少しずつ「気持ちの良い響き」が体の中に入ってきました。

「う~」や「あ~」や「お~」のところをどう歌うか、男声、女声がどう分かれるか等、都度その時の声の状況を元に出されてきた細かい指示は、もう一度9日のモリヤンの練習の時に改めて確認しましょう。

   

 

下へ降りていった子ども達。どんな様子だったのかな?
きっと言葉で書くよりも、写真をお見せする方が、伝わってきますね。
本番会場のホワイエに貼り出すための子ども達の写真を撮りにいったはずのふのじまでが、こんな風に遊んでいました(笑)

    

  

再び合流の後は、8番から11番まで、一気呵成に。
最後の子ども達の「わあい」の歓声、本番では一体どんな拍手に包まれるのでしょうね。想像しただけで、ワクワクしてきます。


先日Wさんががんばろうと呼びかけてくださったこともあり、みんながんばって、チケットもぐんと伸びてきました。

作曲の藤村さんからも、愛知から直筆で熱いエールが届きました。

今日は、前回取材に来て、楽譜を買って帰った朝日の浅田記者が再びやってきて、追加取材。もうすっかり「ぞうの病」に罹ったようです(笑)
さあて、果たしてどんな素敵な記事が飛び出してくるのでしょうか。
楽しみに待つといたしましょう。

本番まであと20日

コロナ、インフルエンザ、ヘルパンギーナ、あれやこれや流行っているようですが、くれぐれも十分に気をつけて、2023川口ぞうれっしゃが終点まで元気に走っていけるように、みんなで力を合わせていきましょうね。

 

Text by あのじ

Photo by くのいち ホープ森山 U佳 U子 あ

 

受付には、こんなTシャツも売られていました。
これは、長い間Tシャツを作ってくれたKさんちに保管してあったのですが、この際放出します(笑)これも歴史の一コマかな?