モリヤンだって、二刀流だい!

6月4日

前日までの激しい豪雨は多くの地域に被害をもたらし、埼玉県でも各地で避難情報が流れました。天を仰いで祈らずにはいられません。

そんな中ですが、今日も重たい花束を荷車に積んで、がったんごっとん運びます。
どうか、このチラシの花束が、多くの人の心に届きますように!

研究所の玄関先の紫陽花がきれいに咲き始め、覗き込むとせっかくたわわに実ったのに、誰にも手に取ってもらえないまま落下したびわがひっそりと。

9時前

今日の一番乗りは、ほのじさん。
重たい荷物を抱え上げ、元気に体育館へ。(助かります~)
たちまちに梯子を上り、窓を開けたと思ったら、外に向かって「おはようございます」
??、あ、健ちゃんとわのじさんが来たんだ!


10時

体操が終わって…
本日酒井さんは、ブエノスアイレスから中継(なんてわけないよね…笑)
代って登場するのは、我らが園長モリヤンです。

「おはようございます。今日は私がやります。酒井さんからの指示を受けていますので、大人は少し丁寧に音を取っていきましょう。子ども達は、下でがんばってきてね。」

はあい!
子ども達は、それぞれ荷物を背負って、勇んで降りていきました。

大人は、まずは8番から。
この曲は、子ども議会が展開され、最後に大人が絡みます。
ここは、子ども達の「生きている象がみたい」という切実な想いを包み込み、一緒になって押してあげていきます。一音一音、楽譜をなぞってみると、あれあれ、ここ、こんな音だった?

そして9番。
「象を貸してください」と訴える子ども達に、園長さんがどう応えるのか。
モリヤン、指揮をしながら、園長のソロもこなして…
大谷君以来、流行り言葉になった「二刀流」がここでも展開されています。
本当に負担をかけてますが、何しろモリヤンが入ると、合唱の厚みが全然違ってきますからねえ。

ここでは、園長さんが「象を本当に大切に思うなら、見守ってほしい」と子ども達に伝える場面を、ソプラノ、アルト、テノール、バスに分かれて、それぞれの音で支えなければなりません。テンポは、園長に委ねられますが、大人はしっかりと厚くハーモニーをとって、役目を果たさなければ…

(あ、もしかして、わたしハモってる?)
歌いながら、そう感じた人も多かったのではないかしら。
「合唱とは、お互いに聴き合うもの」モリヤンはそう言いましたが、もしかすると初めて「ハモる」合唱の喜びを味わった人もいたかもしれませんね。

「『見守ってあげてほしい』の『げ』は、何度も言いますが鼻濁音に!」
「はあい」皆さん、楽譜の「げ」のところには、注意の〇を。

モリヤンからは「調性格論」という音楽用語も教わりました。
確かに同じ旋律でも、シャープやフラットがついて、調が変わると、曲の感じ方が全然違って聞こえます。なるほど!

気持ちが高まってきたところに、いきなり誰かが
「あ、地震!」
窓ガラスがガタガタ音を立て始めました。
立っていると全然感じないのですが、揺れているよう。
「森山さ~ん、危ないから移動して!」
何人も叫ぶのですが、モリヤン、全然気づきません。

今回は天井からライトが落ちてくることもなく事なきを得ましたが、今はいつどんな災害が起こっても想定外とは言えなくなっていて、練習中も本番も、いろんな課題があちこちに転がり、気を抜くことはできないと改めて感じたのであります。

ところで、下で練習している子ども達はどうだったのでしょうか。
10番で声慣らしをした後は、酒井さんから出された宿題の1番と8番をがんばってやっていたそうな。

地震の時は、ちょうど休憩しながら遊んでいたので、誰も気づかなかったようです。

 

11時過ぎ

大人も少し休憩しましょう。
休憩しながら、楽譜の持ち方も教わりました。
「両手に持つと、どうしてもその重みで体がうつむいてしまうので、それを避けるために、どちらか片方の手で持って、歌っているページに指を挟み、空いている手でページをめくる」
だそうです。
試しにやってみたけれど、これは少し慣れが要りますね。

ちなみに、遠藤さんは?

なんと、めくる手間がかからないように、楽譜をページごとにPDFに撮って電子楽譜になっていました!本番では、もっと小さなタブレットを使うそうです。
「文明の利器」って、こういうのを言うのかしらん。


11時15分

子ども達が戻ってきました。
ここからは、それぞれの練習の成果を持ち寄って、8番、9番、1番を合わせます。
子ども達、体育館では間が開きすぎて不安で声が小さくなるので、声をまとめるために、気をつけながら距離を縮めて二列に並んでみました。
ああ、確かに声が変わりましたね。

  

 


最後に、10番を元気に歌って、今日の練習はこれにて終了。

おしまいに質問が出ました。
「本番当日の服装は、どうなるのですか?」
「はい、川口ぞうは、これまでずっとお揃いにはしてきませんでした。今回も自分の判断でそれぞれ自分らしいご自由な服装で歌ってください。ただし、すご~い羽飾りのついた帽子などは、後ろの方が見えなくなるので、かぶらないでね!」
はてさて、皆さんは一体どんな格好でステージに並ぶのかしら。
本番の楽しみがまた一つ増えちゃった(笑)

「私、ちょっと気後れしてたけれど、手紙を書いて誘ってるんです」
「私もがんばってみます」
何人もの方から、帰りがけにそんな風に声をかけてもらいました。
もうそれだけで、胸がいっぱい!
いろんな事情もおありだろうに、結果どうあれ、自分も一歩踏み出そうとしてくださるその「想い」の熱さ、深さ…
「心を一つにすれば、夢だってかなう」って歌ってるんですものね。
きっと素敵な本番が待ってるに違いありません。

また元気に10日に会いましょうね。
風邪で体調を崩す人も出てきています。
どうかくれぐれも気をつけて、
次回は、アルゼンチンの風を受けて、パワーアップした酒井さんが帰ってくるゾウ~!

お・た・の・し・み・に!

Text by あのじ
Photo by くのいち あ

【追伸】

50年前の6月4日は、『はだしのゲン』が初めて雑誌に掲載された日だそうな…