わあい、さかいさんが かえってきたぞう~!

6月10日 くもり

雨の予報も出ているけれど、せめて練習の行き帰りだけでも降りませんように!
前回研究所の前の紫陽花の植え込みで見つけたびわの実、今日はこんなに落ちちゃって…

9時前
準備開始。
頼みの綱の健ちゃん&わのじさん親子は、別のご予定で来られない。
さあて、困ったぞう。椅子出し、どうしましょ。
みんなでやるしかないものね、早く来た人に頼みましょ。
時間がかかっても、慌てず怪我のないようにね。
そんなこんなゆっくりズムでやっているうちに、あ、もう10時だ。

おはようございます!
まずは寺ちゃん体操からね。手と手の先は、くっつくかな?
 

体操が終わって…
「みなさん、ただいま!」
わあい、地球の裏側から、酒井さんが帰ってきたぞう!
みんな、ニッコニコ。
なんと、酒井さん、行きはニューヨーク経由で2日、帰りはヨーロッパ経由で3日もかけて、ぐるりと地球を一周してきたそうな。
その間も日付変更線を超えるので、時間が増えたり減ったり(笑)座り続けで大変だったみたいですが…
「でもね、子ども達、できるだけ早く外国に行って、いろんなものを見てくることいいね。言葉なんて話せなくっても、ちゃんと通じるから」
「はあい!」

もっとお話聴きたいけれど、時間がなくなっちゃう。


さ、行こうか!
「まずは、練習してた8番聴かせてもらおうか。」
♪ぼくたちは、ゆめにみてた~
「いいね。でも、少し不安な感じだね。ぼくたちは、何を夢見てるの?どんな気持ち?」
「わたしたちは、のところは、僕たちは、の歌い方と違うんだよ。ちょっとミステリアスになるように。そうだ、タオルしぼりながら、わたしたちは、って歌ってみて」
あれあれ、絞れない子がいるぞ!
そっか、今はそんなことする場面がないのかな。
「片手を上に、もう一方を下にして、中へぎゅっと」
大人の人、見本見せてね。

「じゃあ、今度は大人の方に向かって、歌ってみようか」 

 

大人はいつも子ども達の背中を見るだけで、一生懸命歌っている表情を正面からみたのは始めてだったかもしれませんね。
何とも愛おしそうな柔らかな笑みがたくさんこぼれてきました。

次は、9番
♪ぞうを貸してください(だれに)わたしたちに~
出た!
酒井さんの(だれに)を聴いて、古いメンバーは懐かしく、思わず顔をくしゃくしゃにしました。
そう、ここは子ども議会の代表が園長さんにむかって、どんなふうに何をお願いするのか、とっても大事なところなんです。
「もう一度歌ってみようか」
♪ぞうを貸してください(やだよ)
「子ども達、今のままじゃ、貸してもらえないから、ぼくのここまで届けて」
酒井さんは、どんどん下がっていきます。
「そう、ここまで届けてよ、子ども達!」

     

♪ぞうを(wo)まだみたことのない たくさんの子どもたちに~
この「ぞうを(wo)」は、紙飛行機が落ちないように、ふわっと投げるようにね。
この曲は音が高くて大変。
遠藤さんに1度音を下げて弾いてもらいました。
なるほど歌いやすくなるけれど、やっぱり響きが違います。
この間モリヤンに聞いた通りですね!

いろいろ言われることも、子ども達なりの納得感があるのでしょう。
酒井さんをまっすぐに見つめて、食らいついていきます。
「子ども達、おつかれさま~、じゃあ下へ行って遊んでおいで!」

子ども達が下へ降りていきました。

では、大人は7番23小節めから。
ここは、「う~」ではなく、「あ~」で。
本番は「う~」に変わるから、今のうちに「あ~」で歌って、自分の音と響きをよく聴いて!

17小節目は6拍子の変則
最初の「動物のエサはたりず」は2+4、その後の「空襲の続く街を」は4+2。「荷車を引き」はテヌートで。「エサを探し回った」の後は、口を開けたままで…
細かい指示が続きます。
♪寒さにふるえて
「ふ・る・え・て」顔を前に出して、アルトは低いけれど、一音一音しっかりと響かせて。
「マスクのせいにしないで。何を言っているかわからない」
「デクレッシェンドは、早く弱くしすぎないで。デクレッシェンドの頭が一番強い音ですから」
♪ぞうのキーコが死んだ
「キーコが」の後に少し間を取って「死んだ」へ。その後も、もっと目を開けて!
♪おなかをすかせて
一音一音、すべてテヌートで。
「男声は、音を上から感じて、下がらないように。リンゴを上に持ち上げるようなつもりで。支えて!」
 
♪平和な日々がきて
ここはとりあえず、全員で歌ってみましょう。音がさがらないように。繰り返しになる前の「その日まで」のところは、クレッシェンドをかけて。

前奏は「ド-ファ」の4度の和音、これは実は祈りの和音なんですよ、宇宙的な空間を感じて!

     

8番、9番も、音の響きをつかむ練習が続きました。

8番
127小節からは、全員で。

9番
♪すみなれたどうぶつえんで
ここの「どうぶつえんで」は、ひとつひとつ音を丹念に拾って…
100小節目からの「う~」、ここも響きを確かめるために「あ~」で歌いましたが、最終的にどう歌うかは、酒井さんの指示をまちましょう。

白熱した練習が続く中、子ども達が上がってきました。
ちょっと待っててね。

子ども達、静かに待っててくれて、ありがとう!
わあ、待ってる間に、こんな素敵な4頭のぞうさんたちもできあがったみたい。

最後は間を置かず、全員で8番から10番まで。
大人の皆さん、9番は子ども達がとってもよくなってるので、後は大人の問題みたいですよ~!

練習回数もあとわずかになってきましたが、今日はこれまで以上にパワーアップした酒井さんに導かれ、不安よりも楽しみの方が大きくなり、胸の奥まで熱くなるようなすばらしい練習ができました。

よろよろ釜たき機関車だけど、今日の練習で石炭いっぱい積めたから、がんばって明日も走るゾウ~!

 

6月11日

本降りの雨。
今朝は、健ちゃん&わのじさんが張り切って来てくれて、大安心。

だけど、大人だけの練習とはいえ、連日だし、こんな雨の中、果たして何人来られるかしら…
なんて思いながらも、準備開始。

ところがところが、なんと蓋を開けてみると、30人近い人が集まってびっくり!
最初は女声と男声分かれて音取り中心の練習を予定していたけれど、前日の酒井さんの練習を受けて、全体でやってみることにしました。
まずは1番、44小節目、4つのパートに分かれるところから。

そして、8番、7番と続きました。

 

何をやったかって?
モリヤンは「アゴーギグ」とか「アーティキュレーション」とか「3度の和音の美しさを発見したのはベートーヴェン」とか、専門的なことも含めていろいろ伝えてくれたようなのですが、ちょいと事情がおましてな。いろいろ聞き逃しました🙇


その代わり、今日も、土砂降りの中、これまで練習に来られなかったママが、遠くから5歳と2歳の可愛い子達を連れて来てくれたり、ウルウルする話はいっぱいあったんです…

  


 

晴れ晴れとした顔で、「ああ、やっぱり歌えてよかった」と二人を連れて帰っていく後ろ姿のなんと明るかったことか!
そして、その後姿を見守るいくつものまなざしが、優しく、深く広がって…

休憩中に、お隣さんに話しかけ「はじめまして、よろしく」とご挨拶する、こんな姿もありました。

がったんごっとん山坂越えて、「ここに くれば あえるね」を大事に続けてこられて、ほんとにほんとによかった!
そんな想いが溢れる一日となりました。

次回は、18日。今度は会場が15号棟集会所に変わりますよ。
間違えないように、学校の角に「ぞう」のかわいい旗を持って誰かが立っていると思いますが、皆さん、気をつけて来てね!

じゃあ、またね。

Text by あのじ
Photo by くのいち あ