ここに くれば あえるね!

コロナ禍は、世界中に広がり、収束するどころか、ますます拡大し、それに追い打ちをかけるかのように、列島各地では豪雨災害が襲いかかる日々が続いています。

無念にも亡くなられた方々のご冥福を祈り、かけつけて抱きしめることすらできませんが、様々な苦しみを背負って日々を送っていらっしゃる方々と、しっかりと心をつないでいきたいと思います。

 

2020年7月19日。

本来であれば、私達川口ぞうの「結成30周年記念コンサート」を開催するはずだった日…。いろいろな思いが巡ります。

 

思い起こせば1年前。

会場抽選に外れ続け、やっとの思いで取れたリリアメインホール。

呼びかけに応えて、2歳から80代まで、たくさんの団員が集まり、11月からはそれはそれは明るく楽しく、エネルギーに満ちあふれた練習が始まりました。

いろんな考え方の違いはあっても、「リリアのステージで、お客様と一体となって、“いのちと平和と子どもたち”への思いを束ね、歌いあげよう!」、その願いをこめながら、熱を帯びた練習を積み重ねていきました。子ども達も元気に歌い、楽しく遊びながら仲間になっていきました。

よもや、それが断ち切られることになるとは思いもよらず、「命」を最優先と考え、延期を決定した4月当初は、残念でなりませんでした。

 

以来3か月半。未だに先の見えないこの状況の中ですが、私たちスタッフは、何度もオンラインでの話し合いを重ねる中で、改めて「ぞうを歌うことで30年間も活動がつながってきたけれど、私たちが大切にしたいものって何だったんだろう、何のためにぞうを歌っていくのだろう」ということを、じっくりと振り返り、考える機会になっています。

 

文字通り一夜限りの打ち上げ花火のつもりで始めた「川口ぞう」でした。

図らずも30年もの間、なんだ坂こんな坂越えながら「どうか平和な世の中が続きますように」の思いを「ぞう」に託して歌ってきましたが、「平和」の捉え方も千差万別。時には「平和を守るため」と言って、平気で人々を苦しめることがあることも知りました。

そして、私たちは今、「子どもも大人も、誰にも気兼ねせず、おびえたりすることもなく、泣いたり、笑ったり、遊んだり、喧嘩したり、歌ったり…こういった当たり前の日常生活が送れることこそ、平和な世の中と言えるのではないか、そして、この未曽有のコロナ禍の中、私たちが再び明るい気持ちで元気にステージに立ち、素敵な笑顔でお客様をお迎えする日がくること、それが私たちのめざす平和への道につながっていくのではないか」と考え始めています。

うまく言葉にすることは難しいのですが、この困難な日々が続く中で、これまでの30年間と「ぞう」の持つ力を、再度噛みしめているところです。

 

誰もこの先を見通すことはできませんが、私たちは決してあきらめません。安心して「その日」を迎えるために、焦らずにずっとずっとつながり続け、必ずや実現していきたいと心に誓っています。

その時には、川口ぞうの宝物である「子どもたち」のパワーを全開にして、この困難を乗り越え、「いのちと平和」の真の尊さを知り、一回り大きくなった「川口ぞう」をお目にかけられるのではないでしょうか。

 

団員の皆さん、これからも手をつなぎ、「ここにくればあえるね」を合言葉に、できることからゆっくりと歩を進めていきましょう。

いつも温かく応援くださっている皆さん、どうぞ引き続き、たくさんの客車をつなぎながら、ここ川口でぞう列車が元気よく走り出す日を楽しみにお待ちくださいますよう、心よりお願い申し上げます。

 

川口ぞうれっしゃ合唱団 スタッフ一同