しとしと、のち、晴れ晴れ!

3月26日

前日からの冷たい雨は降りやまず…

せっかく、研究所の桜も満開になったというのになあ。

桜には、しとしと雨も似合うと言われるけど、みんな練習に来るの大変だろうなあ。

なんて、空を見上げながらブツブツ。

9時前。

まあ、空に文句言ったって仕方がないしね。

今日は桜に降りそそぐ雨を楽しむとしましょ。

本日の子ども担当3人は、玄関前でにっこり微笑みながら、準備開始。

コロナ感染を考えれば、人数の多い大人の練習は、まだ体育館でやるしかないし、そうなると、これまで大人と分かれて体育館で発散してきた子ども達の時間どうする?

今日は、寺ちゃんも来られないし、とりあえずは、予め打ち合わせていたように、ピアノのある家庭科室を整えておこうね。

 

9時半

「今日は、出足が遅いですね」

はい、やっぱり出にくいよね。こんな雨の中じゃ。

 

10時

予め、「今日はごめんなさい」と欠席連絡を受けていた人も多く、この雨だし、少ないんじゃないかと思っていたのに、あらま、みるみるうちに膨らんできて、初回と同じくらい集まってる~。

よおっし、じゃあ、始めるよ!

前回「マイクの音が割れて聞きづらかった」とのご意見をいただいたので、今回はマイクなしで。

 

まずは、柴ねの体操からね。

う~ん、やっぱりみんな、寒いから体が硬いなあ。

でも、やってるうちに少しずつほぐれてきたみたい。

それでは、モリヤンお願いします!

「皆さん、おはようございます。僕の声聞こえますか?」

「はあい」

「今日は、まずはみんなで10番をやって、その後大人と子どもは分かれます。なかなかコロナで思い切り声を出せなかったと思うけど、元気に声だししてみましょうか」

遠藤さんの軽快な伴奏が始まり、それに引っ張られるように、子どもたちの元気な声が響きだすと、大人も乗っかってぐんぐん走っていきました。

あ~あ、心が弾むなあ。

「いいですねえ。じゃあ、子どもたちは下でがんばってきてね。帰ってきたら10番と11番をみんなで合わせるからね」

 

「はあい」と明るく答えて、子ども達は家庭科室へGO!

まだお互いに知らないから、まずは自己紹介から始めてみようか。

ほのじさんが大急ぎで作ってくれた「くじ」を引いてね。

くじに書いてあることを、みんなにお話しするやり方で、子ども達が話しやすいようにしてくれたのです。なるほど、さすが!

ほのじさんは、ずっとぞうの子ども達のことを見てくれていて、ほんとに子ども達の心もよ~く分かってくれてるから、寺ちゃんいないけど、超安心。

 

トップバッターは、今日初めて見学に来たS君。

「ぼくは小学1年生です。好きな動物は、ひよこです」かわいいね。

お次は?

「ぼくは小学4年生。好きな乗り物は。。。え~、別に何もないなあ」

そっか。でもほら、前にパパの素敵なフォルクスワーゲンのワゴン車できてたじゃない。あれは?

「あ、それ好きだった」やっぱりね。

「わたしは小学2年生。好きな食べ物は、うどんです」うん。おいしいよね。

同じ学年の子がいたり、同じ動物が好きだったり、そのたびにかわいい笑顔が広がって。

 

「じゃあ、今度はCDに合わせて10番歌ってみようか」

はあい!

ところがところが、準備していたこのCD、音が小さくて、おまけにとっても速~い!

いいや、じゃあCDは止めて、とにかくピアノに合わせて歌ってみようね。

 

リードは柴ね、旋律しか弾けないあのじ、ふたりとも「のりこ」だから「ノリノリコンビ」なんて自己紹介しながら、音をとっていきました。

今年から「本物の保育士さん」になったU佳さんも助っ人でそっと子ども達を見守ってくれていて、それがどんなに心強かったことか!

 

ほのじさんが読み聞かせてくれた紙芝居「ぞうれっしゃがやってきた

そのお話を、食い入るような眼差しで真剣に聞く子ども達。

「ぞうの子達、本当にかわいいんです!!」


10番をさらった後は、いったん休憩。

けん玉組、折り紙組、お絵かき組、みんな楽しそう!

内緒だけどね、けん玉、一番生き生きしていたのは、柴ねだったんじゃないかなあ(笑)


いっぱい遊んで、今度は11番。

ぞうに出会った子ども達の弾ける喜びの声から始まり、すべてを包み込んでフィナーレの「わあ~~~~い」へとなだれ込んでいく。

情けないことに、何度聞いても、涙ぐんでしまう…。

今こんな風にして、戦争の惨禍から解き放たれ、歓声を上げながら遊べる子どもたちは、世界中でいったいどのくらいいるのだろうかと。

 

さて、この間、大人はどんな練習してたんでしょ?

モリヤンの話では、10番、11番のほかに3番も楽譜をもう一度みんなに見てもらいながら、しっかりやったって。

雨が降っていたこともあるのかな。なんだかしっとり落ち着いた感じがしたけれど、はてさて、大人の皆さん、どうだったかなあ。

    

 

最後はみんなが再び集まって、一緒に10番、11番。

子ども達の歓声が体育館中に響くと、あちこちから誰からともなく拍手が沸き起こって、本日の練習はこれにておしまい。

み~んなホッコリ明るい笑顔。あ~あ、楽しかった!


川口ぞうのシンボルK家4兄弟。今日は長男次男のY君M君が、青年の姿になって現れ、みんなびっくり!

パパの背をはるかに超えた二人。高校3年と1年になるそうな。初めて会ったのは、川口ぞうで上野動物園に遠足にいったとき。あの時は、2歳と0歳だったもんね。はあ~っ。

この日は紹介できなかったけど、サーカスの団長をやってくれるH君も大学生だって!
今回の特徴は、青年層が厚くなったこと。本当の意味で年齢の幅がぐんと広くなり、バランスがいい感じ!

 

初めて見学に来てくれた中国人のS君。

「僕は1年生です。1年前に、一人で飛行機に乗って日本にきました」

みんな大拍手!

長い間コロナのために会えなかった両親と、やっと1年前から一緒に暮らすことができるようになり、日本語も日本語の歌もみるみる上手になって。

帰り際、「ぼく、楽しかったから、また行くよ」

日本と中国、国は違ってもこうやって、平和を願いながら一緒に歌うことができるんだよね。

ああ、どうかもっともっと心を繋ぎ合う輪が広がっていきますように!

 

今度は4月9日。

いよいよ、酒井さんがやってくるぞう~~!

みんな待っててね。

 

Text  by あのじ

Photo by くのいち、U子、びん、あ

わあい、走り出したぞう!

2023年3月12日 

カーテンを開けると、空は晴れてはいるものの、少し霞んでいました。

でも、それが今の私たちの新しい出発にふさわしい空のように感じられました。

「これからはマスクは自分の判断で」と言われるものの、科学的な根拠がなくて、みんなどうしていいのかわからない、そんな中で知恵を出し合い、探りながら進むしかないのですから、決して「ぱんぱかぱ~ん」とファンファーレを鳴らしながらというわけにはいきません…

 

でも、でも、ほんとうに嬉しかった。

この日を再出発とするために、スタッフは一体どれだけの時間をかけて、話し合ってきたことか…。恐らく300時間は下りますまい。

そして、そんなスタッフを信じて、3年間もの長きにわたり、ずっとこの日が来るのを心待ちにしてくださっていた団員の皆さん達!
そのことを思うだけで、この日を迎えられる幸せに、涙がじわっと溢れてきました。

 

午前9時

集合時刻よりも、更に早く、スタッフが集まってきました。

研究所の先生にご挨拶し、事前に打ち合わせていたレイアウトで、体育館の設営開始。今回は、今までの練習では使ったことのないマイクもお借りしました。

受付は、これまで登録済みの人、初めてさんと分けて、混雑や混乱のないように工夫して、と。



9時15分過ぎ

「初めてなんですが」と、お一方。わあ、早い!

「はじめまして、どうぞよろしく!」

 

それからも、次々にやってきます。

なんと、9時45分には、スタッフが参加予測して出していた椅子の数が足りなくなってしまいました。ああ、こんなに待たれていたんだなあと、またウルウル…

あかん、泣いてる場合じゃない、追加の椅子を出さなければ…

「すみませ~ん、自分が若いと思われる方、椅子を出すの手伝って下さ~い」

あれまっ、びっくり!
呼びかけに応えてくださった「自称ワカモノ」(笑)の、なんて多かったことか!

あっという間に、椅子が追加されました。

その間も、あちらこちらで「お久しぶり」と、再開を喜び合う姿が…

 

午前10時

予定時刻になりました。

よおっし、始めるぞう~!

「皆さん、お待たせしました」

この一言を発するだけで、もう胸がいっぱい。お伝えしようと思っていたことも、全部吹っ飛んでしまいました。

でも、言葉にしなくてもいいよね。みんなの顔をみていたら、ちゃんと分かってくださってたもの。どうか、楽しい時間になりますように!

 

まず、口開けは…

この3年間に凝り固まった心と体をほぐすコーナーのはじまり、はじまり~!

登場したるは、こんにゃく座の沖まどかさん。

マスク越しだけれど、まっすぐによく通る声で「こんにちは~」

こんなに小柄な体から、どうしてこんな声が出るの???

 

動きやすいように、ちょっと後ろの方に移動しましょうか。

「まっすぐ立ってみましょう。でも、力を抜いて。」

ブッラ、ブッラ、ブッラ、ブッラ…

まっすぐ立つ事なら何となくできそうだけど、この力をぬくというのがよくわからない。

全く力を入れなきゃ、へなへなと倒れてしまうしね。う~む。

 

次は、骨盤だ。

「お尻の骨(坐骨)をちょっと突き出すようにして、骨盤を前に傾けま~す」

「次は、膝をほんのちょっと曲げて、おしりの骨(坐骨)を前方に落とすようにして、骨盤を後ろに倒しま~す」

「上半身を動かさないで、骨盤だけ回してみましょう」

膝をついて、ネコが伸びをするポーズも。


これは、ネコ好きな人には、とても分かりやすかったかな。

でもね、言われた通りにやっているつもりだけど、見るとやるとじゃ、大違い(笑)

まっ、いいか。大事なことは、自分の体を知って、自分の体を大事にするということだと思うものね。

でも、ちゃんとみんなの身体がほぐれていたの、気づいたかしら?

最後にみんなで歌った「森は生きている」の「♪もえろ、もえろ、どんどんもえろ~」の声の、なんと素晴らしくのびやかだったことか!

体育館中に響き渡ったのには驚かされました。

まどかさん、本当にありがとうございました。


ここで、ちょっと休憩をはさんで。

 

いよいよ、お待ちかねの「♪ぞう」ですよ~!

今回は、モリヤンの指揮で、伴奏は「みなとぞうれっしゃ合唱団」の町澤恵さんにお願いしました。

前に立ったモリヤン「すみませ~ん。こんなに前だとちょっと圧迫感があるから、椅子を後ろに下げてね。男声陣は真ん中で、アルトさんは左、ソプラノさんは右に」

はあい。

あらまあ、ほとんど皆さん、これまでの練習環境と違うのに、ちゃんとそれぞれのパートのところにいらっしゃる!

 

今日は、初めてさんが何人もいらっしゃったので、予定を変更して、10番と11番をざくっと歌ってみることになりました。

どれだけ声がでるのか、心配でと言われた人が多かったのに、みんなで歌うと怖くない、何となく歌った気分になっちゃったわ~(笑)

初めてさんも、ホワイトボードに貼り出した年季の入った歌詞カードをみながら、口ずさめたようで、一安心。

ま、細かいところは、酒井さんにお任せしましょ。

ということで、本日の練習は終了。

急遽ピンチヒッターを引き受けてくださり、合唱をリードして練習を支えて下さった町澤さん、本当にありがとうございました。


実はね、3年前には子どものパートを歌っていたのに、今回は声変わりをして大人のパートに移るという子が4人もいて、3年という期間の長さを知らされなんとまあと驚くばかり。みんな大人のパートを歌えることが嬉しいんだって。


それからね、今回はなんと足立区から「子どものときに神奈川でぞうを歌った」姉妹が、お子さん3人を連れて参加されて。

コロナ前にHPからの問い合わせをいただき情報を送っていたのだけれど、まさか初回練習に来られるとは思っていなかったので、ぶったまげてしまい…

どうやら、かつて神奈川で私たち川口ぞうの何人かが歌ったときに、一緒にステージに出ていたみたいということも分かって、ぞうがつなぐ不思議なご縁を喜びあったという次第。

 

O先生のお誘いで見学にいらしたNさんご一家も「楽しかった」って、帰り際に正式に登録してくださったり、あれやこれやバタバタの中にも、ほんとに心弾むことばかり。



最後に、今回サーカスの少女を歌ってくれる西山かれんさんをご紹介。

かれんさん、20年の時は、まだ学生さんでしたが、今は事務所に所属して歌っています。今回はきちんと事務所にもお話して、少女を引き受けてくれることになりました。またあの「かれんな」声が聴けることになり、嬉しいな~。

 

さて、次回は26日。

すでに桜は散り始めている頃かしら。

果たして、みんなどんな顔でやってくるか、楽しみ、楽しみ...

 

Text  by あのじ

Photo by くのいち、びん、ホープ森山、あ

 

3年前は赤ちゃんだったのにね💛

 

 

ゆっくりと、車輪ががったん!

2022年11月13日 日曜日 

 

待ちに待ってた朝がきた。

8時すぎ

三脚抱えたくのいちさんとあのじは蕨駅で待ち合わせ。

「おはよ!」

「おはよ!」

「お天気崩れなくてよかったね」

余裕を持って出たはずなのに、うろうろしているうちに、集合時刻が迫ってきちゃった💦

ここは、何度かリハ―サルにも使ったところ。

あちこち動き回っているうちに、わらわらスタッフ集まって。

 

そこに現れ出でたるは、わあい、我らが酒井さん!

対面でお会いするのは、なんとまあ2年9か月ぶりのこと。

「お久しぶりです!」

「ご無沙汰してます!」

なんだかほんとに、それだけで泣けてきちゃう。

 

あ、今朝は素敵な女性もご一緒だ。

「フルートの嶺井さんです。今日、僕をサポートしてくれます。」

それは、それは、川口ぞうへようこそ!

ほんとにありがとうございます。

「よろしくお願いします」

穏やかな優しい笑顔とともにご挨拶くださって。

ようし、これでもう、すっかりお仲間になりましたね。

 

8時45分 

ホールの扉が開くや否や、誰に言われるわけでなく、それぞれ自分の役割をきびきびとこなしていく。

階段席一つ置きに用意したマスキングテープで、しるしをつける。

「ここに座ってね」

こんなこと、コロナじゃなければなんも必要ないのにね。

受付は外。テーブルいくつにする?

わのじさんは、けんちゃんのお茶コーナーの準備だね。

 



 

 

モリヤンは、プロジェクターの調整、びんちゃんも、初めてのビデオカメラで悪戦苦闘。機械は2人にお任せするしかないもんね。ホールスタッフと一緒に頑張って!

 

 

 

 

 

そんなこんなの喧騒を物ともせずに、酒井さんと嶺井さんは、一生懸命音合わせ。

聞き覚えのあるぞうのメロディがピアノとフルートで奏でられ、何度もうっとりして手が止まりそう。

だめ、だめ。ここはきっちりお仕事しなきゃ。

 

9時半 

遠藤さんの音出し開始。皆さん、会場入るの、も少し待っててね。

9時40分

 漸く準備も整って、一番乗りはだれかしら?

みんな、ほんとに待ってたんだね。ニッコニコの笑顔です。

10時 

予定通り、しばやんの司会で幕が開けました。

 

 

 

まずは、あのじからのご挨拶。

 

 

 

「今日は、本当にゆっくりではありますが、私たちが確実に少しずつ歩みを進めていることをご一緒に確認し、これからのステップにつながるようなそんな時間になることを願って企画しました。

一番初めは、今から31年前、第1回目の公演のビデオを皆さんに見ていただきましょう。こあでも川口ぞうの歴史をお伝えしていますが、とにかくもう何も分からず勢いだけのコンサートでした。」

 

この初演のビデオ、短い時間で何を伝えるか、お見せしたかったことはたくさんあったけれど、断腸の思いで15分に縮めて。

伝説となったリリアから川口駅改札口までのお客様の列、元上野動物園園長の中川志郎さんのお話、緞帳が開いた途端、ステージの上と客席双方からあがったどよめき、最後の11番で挿入した世代を超えた5人のメッセージ。

 

 

ところどころ、解説を加えていきましたが、多くの参加者からは、中川さんの話もメッセージに込められた思いも、全く古びることなく、今この時と大きく重なって、より実感を伴ったとの感想をもらいました。

「初演に参加した人、手を挙げて」と言ったら、子どものときに歌ったK君が子どもを抱っこして手を挙げてくれて、ほかにも何人も手が挙がって、そっか、みんな30年の時を重ねてここに集まっているんだなあと、ほろっ。

 

次は、「えんどうさん、聴かせて」のコーナーです。

 

 

 



遠藤さんは、コロナ禍の中で、演奏活動が遮断してしまい、本当に苦しい思いをしてこられたことを静かに話され、今もウクライナをはじめ多くのところで戦火が止まない中で、一日も早く平和な日が訪れることを願って、ラヴェルの「水の戯れ」とショパンの「英雄ポロネーズ」の2曲披露して下さいました。

さまざまに形を変える水の流れが何とも心地よく、また力強い「英雄ポロネーズ」からは、平和を願う思いが強く伝わってきて、私たちの心を奮い立たせてくれるようでした。

 

さて、いよいよ酒井さんの登場だ。

あ、ちょっと待って。その前に皆さんスクリーンにご注目!

映し出されたのは、酒井さんが1995年から2001年にかけて4回にわたって指揮をして下さったときの、秘蔵お宝映像。

ほら、見て、見て!

ちょっぴり体形はお変わりになったようですが、あの頃の情熱的な指揮は今もなお変わることがなく、さらに円熟味を増していることが伝わってきましたね。

あ、いっけない。ここでこんなこと遊んでちゃ、時間が足りなくなっちゃう。

はい、ここで本物の酒井さんに登場いただきましょう。

 

 

 

「皆さん、ほんとうにお久しぶりです」から始まった酒井さんのご挨拶。

やっと会えた…酒井さんの声を聞いた瞬間に、もう涙ぐんでいる人がいます。

酒井さんにお願いした時間は、わずか40分。

その時間で、久しぶりに会う皆さんに、どうやったら音楽の楽しさ、ぞうを歌うことの楽しさを伝えられるのか、随分と酒井さんは悩まれたようです。

そしてなんと、この日のために、フルートさんにサポートをお願いし、ご自身は7年ぶりにピアノの前に座り、練習されたそうな。

 

「皆さん、ちょっとずつ席を移動してください。少しずつ離れれば、合唱練習の際に藝大で運用しているルール通りですから、マスクをして小さな声で歌えます」

 

わあい、歌えるんだ!

 

 

酒井さんが選んだのは、この3曲。

まずは、かわいいイントロが聞こえてきました。あ、9番だ!

「♪ぞうをかしてください(だれに)」

(だれに)って、歌詞にはないのに、自然に口をついて出てきます。「そうです、誰にお願いするんだっけ?」

「♪ぞうをまだみたことのない」の「ぞうを」と歌う時は、どうするの?

あ、紙飛行機をふっと飛ばすように歌うんだったよね。

 

音と一緒に、少しずつ記憶がよみがえってきます。

 

そして7番、11番と続きました。

 

 

アドンとキーコがいのちを閉じ、生き残ったマカニー、エルド、そのぞうさんたち一頭一頭の名前に込められた想いをどう伝えていくのか、おのずと今の世の中に重なって、歌う私たちに問いかけてきます。

 

「人間のいのち、動物のいのち、いのちと歌う時は、いの音からきゅうっとタオルをしぼるように!」

「本当の練習が始まったら、容赦しませんよ~(笑)」

「はあい!」

酒井さんがピアノで伴奏し「こんな風にみんなに歌ってほしいな」とフルートさんに託したメッセージ、しっかり伝わってきましたよ~!
 なんちゃって、伝わっても、それが表現できなきゃいけませんね。

久しぶりに歌うんだもの、どうしたって、もごもごしちゃったけれど、でももう、歌えたことだけで、心の中が明るく膨らんでいくようでした。

 

さて、時間も終わりに近づいてきました。

「どうしましょう。大丈夫ですか?やりますか?」

「はい、やりましょう!」

 

よおっし、10番、歌うぞう! 

「じゃあ、もう少し間を開けましょう。2列目と4列目はこっちに移動して」

遠藤さんの伴奏が始まると、子ども達の目がらんらんと輝いてきました。おとなだって負けてはいません。

酒井さんの指揮、遠藤さんのピアノ、嶺井さんのフルートに促され、涙と笑顔が混ざり合って歌ったこの日の10番、きっと誰もが忘れることのできない思い出として、これからもずっと心の奥深くに生き続け、川口ぞうの背中を押していってくれるに違いありません。

 

 

 

 

「何よりも『団員のいのち』を最優先にしながら、川口ぞうの車輪はゆっくりと動き出しました。

この列車、これまでは、都度コンサートの本番日程を決め、逆算して練習を組み立てて団員を募り、特別仕立ての臨時列車として走らせてきましたが、コロナ禍が未だ収束を見せない中で、走らせ方を大きく変えていくことにしました。

来年の3月からは、いつものように第2第4日曜の午前、いつもの場所で、十分に注意を払いながら、ゆっくりと練習を開始していきます。

もちろん、『本番』となる終点の駅に向かっていくことには変わりませんが、すでに確保している来年の7月23日埼玉会館が、私たちのめざす『本番』となるためには、超えなければいけないハードルがたくさんあります。

仮に7月23日の企画が従来のような満員のお客様をお迎えしての『本番』のイメージとは違うものであっても、それはあくまでも乗り継ぎ駅であり、さらにその先に向かって走っていくためのステップの場所と捉えて、まずは3月からの練習をうんと楽しんでいきたいと思います。」

 

おしまいに、そんなことをスタッフからの提案としてお伝えし、参加された皆さんからは温かな拍手が送られました。

こうして、「さかいさんといっしょ」は、参加された皆さんの溢れ出た想いと共に、明るく幕を閉じました。

さてその3月ですが、またぞろ第8波などとも言ってますし、一体全体、世の中はどんな状況になってるでしょう。

でもね、皆さん、また会える日まで、コロナなんかにゃ負けないで、明るく元気に過ごしましょうね。

 

待ってるぞう~~‼

 

Text by あのじ

 

 

 

 

Photo by まのじ

 

  • 追伸

「ああ、ここにきて、みんなの顔をみたら、ホッとした~。ここはいいわあ」

「もう、歌詞も忘れてるし、音もとれなくて全然歌えなかったけど、久しぶりに声を出せて楽しかった。やっぱり歌っていいねえ」

 

参加された方からは、いろんな声が聞こえて、そのどれもが嬉しかったけど、ああ、やっぱり川口ぞうは「ここにくればあえるね」がずっと生きてる場所だったんだねと、スタッフ一同シミジミ。

ここで やっと あえたね!

2022年3月27日 日曜日

この日をどんなに待ち焦がれていたことでしょう。

やっとやっと、みんなに会える!

 

朝一、窓を開けると、前日の嵐がピタッと収まり、雨もあがっています。

ああ、よかった。ホッと胸をなでおろしました。

 

2020年2月23日の練習以来、実に2年1か月も過ぎました。

信じられないかもしれませんが、スタッフだって、全員が顔をあわせるのは、あの日以来だったんです。

よもや、こんなに長く会えなくなるなんて…

 

いろんな思いが去来する中、あのじはぞうのパネルを大きな袋に詰め込んで、勇んで出かけていきました。

着いてびっくり、大慌て!

予定時刻よりも30分近く早かったのに、もう荒馬座の皆さんがいらっしゃっているではないですか!!

ご挨拶もなしに、「すみませ~ん」のお詫びから始まりましたが、その後は慌ただしい中にも、言葉に表せないような、まことに幸せな気持ちに満ちあふれた時間が流れていきました。

ぞくぞく集まってきたスタッフも、顔合わせを終えて、きびきび搬入を手伝い、会場設営へ…

感染防止第一。

まずは、すべての窓を開け放ちました。運び出したパイプ椅子や机、マットはすべて消毒。掃除機はU子さんが自宅から運んできました。

 

「入口と階段に荒馬座ののぼりを立ててもいいですか?」

「どうぞ、どうぞ」

ああ、いいですねえ。今にも祭りが始まりそうな雰囲気になってきました。

そうだ、私達の30年物の「ぞう旗」も貼りださなきゃ。

でも、どこがいいかなあ。

いろいろ思案の末、「ここ、どう?」「あ、いいね」ということで、2階と3階の階段の踊り場の壁に決定!

うん、これならきっとみんなが昇ってくる時も帰っていく時も見えるよね。

こはちょっと届かないから、背の高いびんちゃんとしばやんにお任せしようっと。

 

         

 

「消毒の場所と、受付どうしようか?」

「パネル6枚は、ろくぼくを使って吊るせるね。」

ここも、びんちゃんとHさんのセンスでお願いね。

あ、うんうん、いい感じ!

 

少しずつ、会場が整ってきました。

座席の配置も、とっても落ち着きました。

 

 

ここにみんなが座る様子が目に浮かんできて、ちょっとウルウル…

リハの太鼓や笛の音につられて、誰もいないことをいいことに、ちょこっと飛び跳ねちゃいました。(あ、すんません🙇あのじだけですからね。)

 

整ったところで、全員集合!
荒馬座の皆さんと、今日の流れの最終確認も無事終了しました。

もう、会話の一つ一つが楽しく、笑ってばかりで、なんだかネジが何本も飛んで行ってしまったような気分です。

 

 

 

そうこうしているうちに、12時45分になりました。

外を覗くと、すでに何人も入口に集まってきてくださっていたので、予定より早く開場することとしました。

そのあとは、もう懐かしくて、懐かしくて…

皆さんが、スタッフの呼びかけに応えて、感染に気をつけながら、パネルを眺めたり、あちらこちらで、静かな声で再会を喜ぶ姿がありました。

 

「え~~~、こんなに大きくなったの?」「え、君がK君?」

会場に入る子どもたちの姿に、大人はもう驚くばかりです。

子どもたちの成長ぶりが、2年間の空白をしっかりと物語っていました。

あ、大人もきちんと成長していたこともお伝えしなければね(笑)


13時半

しばやんの軽妙な司会が開会を告げました。

 

 

まずは、あのじからご挨拶。

 

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皆さんにお伝えしたかったたくさんの想いがあって、そして真剣な眼差しでその想いを全身で受け止めようとしてくださった皆さんがいて、胸がいっぱいになりました…

 

残念ながら仕事があって駆け付けられなかった指揮者の酒井さんと舞台監督の井関さんからの熱いメッセージは、モリヤンが代わりに読み上げました。

 

 

 

メッセージからは、これからも一緒に進んでいこうとしてくださっているお二人の姿がくっきりと浮かんできました。

本当にありがとうございました。

 

さて、いよいよ荒馬座の出番です。

「どうぞ~~!」

しばやんの陽気な前口上に促され、みいちゃん、みえちゃん、なおちゃん、びんちゃん(ぞうのびんちゃんじゃないよ)、しまちゃんの5人が元気に登場!

まずは、軽快な水口囃子からスタート。

みんなの体がお囃子に誘われ、次第に乗ってきました!

 

 

 

獅子舞では、頭を噛んで厄を払い、幸せを呼んでくれる場面で、子どもたちが真顔でおびえる姿もあって…

真ん中のあたりにいた大人は、2回も噛まれてラッキーと微笑んでいましたがね(笑)

今回は、ソーシャルディスタンスで、獅子が客席に入れなかったことが幸いだった子も、随分といたそうな…

 



 

 



 

続く荒馬踊りは、自分の子どもが荒馬座に指導してもらい踊ったことがあるという人が何人もいらしたようです。

エネルギッシュな踊りに合わせ手拍子でリズムをとりながらも、きっと、みんな心の中では、「ラッセーラー、ラッセーラー」の掛け声を掛け続けていたに違いありません。

 

そして、ソーラン節。

私たちもかつて本番で踊ってきた曲です。

「川口ぞうれっしゃ希望丸」と名付けた船の出航を祝う歌声が、体育館中に高らかに響き渡りました。

なかなか前には進めないけれど、一生懸命つながろうとする私たちの背中を荒馬座の皆さんが温かく押してくださる気持ちがありがたく、今も思い出しては涙ぐみそうになります。

 

おしまいは、勇壮なぶち合わせ太鼓。

その迫力ある演奏は、体育館の床からもしっかりと鼓動が伝わり、私たちの心と体を大きく包み込みました。

荒馬座の皆さんも、コロナ禍で大変な状況のはずなのに、こんなにも心のこもったプログラムを組んで、私たちを熱く励ましてくださって…

はいっ!!

その声援に応え、これからの川口ぞうは、水陸両用列車として、新たに車両を整え、明るく元気に進んでいきますよ~

 

 

「あ~~、歌いてえなあ。踊りてえなあ!!」

そう叫んだしばやんならずとも、その場にいた全員が同じ想いを持ったことでしょう。

代表して、高校3年生のHOさんが心を込めて述べてくれた感想にも、その想いが強く込められていましたね。

 

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感想のあとは、「皆さんのコーナー」として、SGさん、Tさん&SKさんからの訴えと、Wさん親子による「健ちゃんのお茶」のご案内があり、最後にこの4月から看護師さんとして歩んでいくNさんが、ストロベリーズの「さくらコンサート」のお知らせをしてくれました。

 

スタッフは、3月の感染状況を見て、本当に開催していいのだろうか、悩みながら何度も話しあいを重ねてきました。

そして、「たとえ歌ったり、手をつないだりできなくても、この場に集まり、みんなが顔を合わせられることを喜び、荒馬座からエネルギーをもらい、平和への想いを新たにする日にしよう」と決心しました。


開催の案内の時は想像すらできなかったロシアのウクライナ侵攻で、まさに「ぞうれっしゃ」で描かれた世界そのものが展開されている今、私たち一人ひとり何ができるのかを問う場にもなったと思います。

 

本当は、交流の時間もいっぱいとって、大声で10番を歌い、「いつから練習が始まります」とか、「いつが本番です」と発表できればいいなと思っていましたが、まだお伝えできず、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
でも、スタッフの気持ちに応えて、この日、この場に、たくさんの方が集まってくださり、この素晴らしいエネルギーに満ちた空間を一緒に創り、平和への想いを束ねて発信できたことを、誇りに思います。

市原ぞうの国を通じての「ウクライナの子どもたちと動物たちの支援募金」の呼びかけにも、驚くほどの想いが集まりました。

本当にありがとうございました。28日、確かに送金しました。

 

終演後、素敵な感想もたくさんいただいています。

中には、荒馬座の皆さんへの感謝と合わせ、今の私たちを「各駅停車の川口ぞうれっしゃ」と名付けて、「ゆっくり走って一緒に景色を楽しもう」と伝えてくださったものもありました。

 

スタッフ一同、この言葉にも励まされ、この日の出会いに感謝し、蓄えられたエネルギーをばねに、「ここでやっとあえるね」ではなく、元の歌詞にあるとおり「ここにくればあえるね」の日常が一日も早く戻ってくることを祈りながら、これからも知恵を出し合っていきたいと思います。

また、必ず心弾むお呼びかけをします。

どうか、それまで元気でお過ごしくださいますよう!

 

     

  

        

 

 

        

 

Text by あのじ

Photo by まのじ

ここに くれば あえるね!

コロナ禍は、世界中に広がり、収束するどころか、ますます拡大し、それに追い打ちをかけるかのように、列島各地では豪雨災害が襲いかかる日々が続いています。

無念にも亡くなられた方々のご冥福を祈り、かけつけて抱きしめることすらできませんが、様々な苦しみを背負って日々を送っていらっしゃる方々と、しっかりと心をつないでいきたいと思います。

 

2020年7月19日。

本来であれば、私達川口ぞうの「結成30周年記念コンサート」を開催するはずだった日…。いろいろな思いが巡ります。

 

思い起こせば1年前。

会場抽選に外れ続け、やっとの思いで取れたリリアメインホール。

呼びかけに応えて、2歳から80代まで、たくさんの団員が集まり、11月からはそれはそれは明るく楽しく、エネルギーに満ちあふれた練習が始まりました。

いろんな考え方の違いはあっても、「リリアのステージで、お客様と一体となって、“いのちと平和と子どもたち”への思いを束ね、歌いあげよう!」、その願いをこめながら、熱を帯びた練習を積み重ねていきました。子ども達も元気に歌い、楽しく遊びながら仲間になっていきました。

よもや、それが断ち切られることになるとは思いもよらず、「命」を最優先と考え、延期を決定した4月当初は、残念でなりませんでした。

 

以来3か月半。未だに先の見えないこの状況の中ですが、私たちスタッフは、何度もオンラインでの話し合いを重ねる中で、改めて「ぞうを歌うことで30年間も活動がつながってきたけれど、私たちが大切にしたいものって何だったんだろう、何のためにぞうを歌っていくのだろう」ということを、じっくりと振り返り、考える機会になっています。

 

文字通り一夜限りの打ち上げ花火のつもりで始めた「川口ぞう」でした。

図らずも30年もの間、なんだ坂こんな坂越えながら「どうか平和な世の中が続きますように」の思いを「ぞう」に託して歌ってきましたが、「平和」の捉え方も千差万別。時には「平和を守るため」と言って、平気で人々を苦しめることがあることも知りました。

そして、私たちは今、「子どもも大人も、誰にも気兼ねせず、おびえたりすることもなく、泣いたり、笑ったり、遊んだり、喧嘩したり、歌ったり…こういった当たり前の日常生活が送れることこそ、平和な世の中と言えるのではないか、そして、この未曽有のコロナ禍の中、私たちが再び明るい気持ちで元気にステージに立ち、素敵な笑顔でお客様をお迎えする日がくること、それが私たちのめざす平和への道につながっていくのではないか」と考え始めています。

うまく言葉にすることは難しいのですが、この困難な日々が続く中で、これまでの30年間と「ぞう」の持つ力を、再度噛みしめているところです。

 

誰もこの先を見通すことはできませんが、私たちは決してあきらめません。安心して「その日」を迎えるために、焦らずにずっとずっとつながり続け、必ずや実現していきたいと心に誓っています。

その時には、川口ぞうの宝物である「子どもたち」のパワーを全開にして、この困難を乗り越え、「いのちと平和」の真の尊さを知り、一回り大きくなった「川口ぞう」をお目にかけられるのではないでしょうか。

 

団員の皆さん、これからも手をつなぎ、「ここにくればあえるね」を合言葉に、できることからゆっくりと歩を進めていきましょう。

いつも温かく応援くださっている皆さん、どうぞ引き続き、たくさんの客車をつなぎながら、ここ川口でぞう列車が元気よく走り出す日を楽しみにお待ちくださいますよう、心よりお願い申し上げます。

 

川口ぞうれっしゃ合唱団 スタッフ一同

王さまの冠(かんむり)

コロナって、「王さまの冠(クラウン)」のことなんだってね。知ってた?
私は初めて知ったんだけど、多分、多くの人もこんなことでもなければ、知ることもなかったんじゃないかなあ。 

連日、トップニュースでかなりの時間を割いてコロナウィルス感染が報じられているけれど、肝心の対策はどう動くのかさっぱり見えてこない。検査もきちんと受けられない状況の中で、あっちでもこっちでも大勢の人が集まるイベントが中止になっていく…。
これまでいろんな問題にぶち当たっては乗り切ってきたスタッフだけれど、さすがに今回はどうしようと悩んじゃって。

 

「練習の際は、団員の皆さんの心も体も大事にして、安心して楽しい時間を過ごせる場を作ろう」これまでずっと、そんな風に考えてやってきたけれど、本当にどうすればいいんだろう。
何回も話しあい、昨日の夜に「とりあえず明日は予定通り練習しよう。少しでも感染リスクを抑えるために、いつもの教室ではなくて、広い体育館でやってみよう」との結論を出したんだけど。
寒い時期、体育館での練習。
皆さんには一斉メールで予めお知らせして、防寒対策を促し、「くれぐれも体調を確認して、無理をしないでね。」を伝えました。
木曜日に送ったメールと少し内容も違っていたのに、スタッフを信頼し、励ましてくださる返信メールが続いたときは、どんなに嬉しかったことか!
時間がない中で、練習内容も急遽変更。
果たして体育館での大人の練習が、きちんと成立するかどうか、それを判断する意味もありました。

 

そんなバタバタな時間が過ぎ、あっという間に今朝を迎えて…。
9時を待たずに設営作業開始。
もしかしたら大人の話し合いなどで使うかもしれないので、いつもの部屋の窓も開け放ち、空気を入れ替え、その後体育館へ。
体育館では、二階の窓もいったんすべて開け、受付を整えて。
漸く手に入れたアルコール消毒液も、忘れちゃいけない!

 

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今日はお日様が差して、体育館も底冷えしてなくて、ほんとによかったなあ。
(天の神様、アリガトウゴザイマス)
果たして、何人参加してくれるのかなあ。

そんな不安を吹き飛ばしてくれるかのように、続々と階段を上がってくる足音が聞こえてきました。
ああ、よかった!
じゃあ、今日もがんばって練習しようね。

 

まずは、しばやん。
体操の後は、いつものをやるよ!大きな声でね。
「まずは、アド~ン!」
「次は、あっちの方だ。マカニー!」
「そして、こっちだよ、キー子!」
(あれっ、何か抜けたぞ?)
「あ、エルドだ(笑)よ~し、エルド~~!」
(まあ、なんと元気だこと!)
「そして、モリヤ~ン!」
「はあい」
ということで、本日の指揮者モリヤンが静かに(笑)登場。

 

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最初は、みんなで1番だ。
弾んだ声が響きます。
(いいなあ、子ども達)
ごめんなさい。子ども達の声を聴きながら、スタッフはあちこち走り回っていたので、きちんと練習の様子が伝えられない。

でもね、今日のお客様、本番第1部のゲストにお迎えするザクロのリーダー織田さんは、みんなの声を聴きながら、いろんなイメージが膨らんできたみたい。
ご挨拶でもそんな話をしてくださって。
やったね!これは絶対楽しいステージが誕生しそうだ!
どうぞ、よろしくお願いしま~す。

 

その後、子ども達は下の家庭科室へ移動し、大人は残って3番の音取りから。
子ども達、いつもの場所と違ったのに、偉かったね。
練習の合間に、紙ヒコーキを飛ばしたりして遊んでいたけれど…。
今日はね、子ども係のHさんが「ぞうれっしゃがやってきた」の原作の絵本の読み聞かせをやってくれたんだよね。
最初は、とても小さい子もいるから、短い紙芝居をやろうかと思ったんだって。

だけど、やっぱりきちんとお話を聞いてもらいたいと思って、絵本の読み聞かせをやることにしたんだって。
それがまあ、びっくり。
子ども達、一人残らず集中して、真剣な顔で最後まで聞いていたそうな…。

 

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大人と合流してから最初にやった9番「ぞうをかしてください」
なんとすばらしい表情!なんとすばらしい声!
どうしたの、子ども達、いったい何があったの?
最初聞いたとき、あまりにも素敵でびっくりしちゃったんだけど、後で子ども係のHさんから読み聞かせをした時の話を聞いて、謎が解けました。
うそっこではなくて、本当に心を込めて歌うということを、子ども達がしっかりと教えてくれたのでした。
大人も一度読み聞かせてもらう時間をとりましょか。

 

続けて10番、11番を歌って、今日の練習はおしまい。
お疲れ様!
心配していたけれど、大人の皆さんは初めての体育館練習も、自然な形で受け止めてくださり、終わってみるとなんと100名を超える参加者があって。
おまけにね、こんな状況なのに、2組も「初めてさん」が増えました!

 

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大人も子どもも力を合わせて、素晴らしい本番を創り上げていきたいという熱い思いが、ひしひしと伝わってきて、スタッフは本当に勇気づけられました。
なかなか予断を許さない状況で、これからも大変なことがいっぱい起こるかもしれないけれど、大丈夫!
みんなで心をつないでいけば、必ず乗り切っていけるから。

 

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だから、くれぐれも無理をしないで、元気に過ごしてね。
また、次回、待ってるぞう!

 

Text  by あのじ

 photo  by まのじ ゆのじ

 

 

定点観測

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今回は横に。

さざんかはほとんど散って 梅が咲いていました。(左側に紅白で)

慌てて、かな?

風でおとされた花びらもちょっと。

なんとも「かれん」な…

昨日も、寒かった!
でもね、やっぱりこの寒さがないと、作物も育たないし、何よりも「ど~こ~かで、は~る~が」って思わず口をついて出てくるような春の喜びが、かなり薄れてしまうと思いますが、どうでしょう?
実は、今日の練習の時にね、皆さんにはお知らせしていなかったけど、朝から一つドキドキしていることがあって…。
さあて、どうなるかなあと思いながら、家を出てきました。

 

「練習が熱を帯びてきているので、今回から少し前倒しをして、5分前に体操始めま~す!」
事前に、そんなメールをしていたせいか、皆さんほんとにきちんと集まってくれて、嬉しかった。
 
まずはシバヤンの体操で、心と体をほぐしたところで、酒井さんの熱い練習へ突入。
酒井さんが前に立った瞬間、みんなの視線が一斉にすっと酒井さんに注がれていくのが感じられたんだけど、う~ん、その空気感、うまく伝えられない、ああ、もどかしい!


「今日はまずは、子どもたちの8番聞かせてもらおうかな。あ、やっぱり、4番やって、上へ行こうか。子ども達、あんまりいい言葉じゃないんだけど、『どろぼう』って知ってる?これからね、みんなのお小遣い盗まれたと思って『どろぼう』って叫んでみて!まずは、50円」
「どろぼう」(う~ん。)
「じゃあ、今度は千円だよ。」
「どろぼう~」(ありゃ、あんまり変わらない)
「今の子たちは、お金持ちなのかなあ…じゃあ、大人の皆さん。最初は50円で」
「どろぼう」
「じゃあ、自宅に置いてあった8千何百円が盗まれちゃった!」
ろぼう~~~~」
「さすが!子どもたち、こんな勢いで、どうぶつえんの『ど』をやってみよう!」
 ♪どうぶつえんに ぞうがきた 
 がんばって4番歌ったけど…

 

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「どうやったら、子どもたちに伝わるのかなあ。よ~し、じゃあ、上にいって遊んでおいで!」
(てらちゃ~ん、子ども係の皆さ~ん、そこんとこ、サポートをぜひよろしく~!)

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大人は引き続き4番をさらって。
 ♪たるまわしも、ごばんのりも の後の休符、ここは、とっても大事。
 ♪女性だけが入る「トテチテタ」は、×が五線譜の上に書いてるけど、あんまり音符として意識しないで。
 

今回は、「アルト根性」という言葉も教わりました(笑)。
アルトの皆さん、思い出しながら、「アルト根性」出さないように、頑張りましょうね。
いろんなところで何回も、酒井さんの口から飛び出た言葉がありました。
「ここは、もっと深い音で!」

酒井さん自身が目の前で実際にやってみせてくださることで、理解が深まることもたくさんありました。 
クレッシェンドやアクセント、スタッカートなどの記号も楽譜に加えられ、どんどん楽譜がにぎやかになっていきます。
このあたりは、また次回にホワイトボードに書いておきますね。

ピアノの遠藤さんとのコンビネーションも、どんどん築かれてきています。
今日なんか、1番の練習中に、「♪サーカスはいつでもの『も』の音、ここは印象派ドビュッシーの月の光を」と酒井さんが突如遠藤さんに要求し、それに応えて遠藤さんが「月の光」の冒頭部分を弾き始めたのには、みんなびっくり!

「僕の指揮でやるピアニスト大変なんです。予めその日にやる曲を伝えておいてくださいなんて言われるんですよ。いきなりベートーヴェンソナタの1番をなんて言っちゃうから‥笑」と言ったとたんに、遠藤さんがそのソナタを弾き出しちゃったものだから、これには酒井さんもさすがに驚き、そして、満面の笑みがこぼれました。
 練習後の遠藤さん「とっさの曲目リクエストで驚きました。次回は何がくるんでしょうか(ハラハラ)…笑」そういいながら、遠藤さんも実に楽しそう。

そんなこんなしているうちに、どんどん時間が過ぎていき、子ども達が降りてきました。
「じゃあ、5分間だけ、時間をください。休憩します。」
と言いながら、酒井さんが向かった先にはピアノがあって。

実はね、皆さんには伝えてなかったけれど、練習終了後、「少女ソロ」候補Kさんの声を酒井さんに聞いてもらう計画になってたの。
予定が変更になり、急遽皆さんが見ている前での公開オーディションとなったわけです。
そのことは練習が始まる前にKさんには伝えてあったけど、それはそれはドキドキしたことでしょう。
「じゃあ、歌ってみてね」いきなり伴奏が始まり、酒井さんのピアノに合わせてKさんが歌いだしました。
隣にいる私にも、その緊張が伝わって…。

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ああ、なんて癖のない少女らしい素直な声だこと!高音も綺麗に響いてきます。
酒井さんのリクエストに応えようと一生懸命に歌う姿をみて、(どうぞいい結果が出ますように)と、心の中で手を合わせました。
「じゃあ、ここまで。はい、いいですね。どうぞ、歌ってください。」

やったあ!
この瞬間、今回の少女ソロが正式に決定!
なんとも「かれん」な「サーカスの少女」の誕生に、かたずをのんで見守っていた皆さんから大きな拍手が起こりました。
皆さんが少女として受け入れ、誕生に立ち会えた喜びも広がっていきました。

酒井さんは休む暇なく子ども達を迎え入れ、練習再開。

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4番、8番、降りてきてからの子ども達の声に、酒井さんの顔もほころびました。
「子ども達、ほんとにすごいですね。いいですね。」
何度書いても書き足りないほど、てらちゃんや子ども係は、毎回毎回、知恵を絞って、体を張って子ども達が本番に向かえるように頑張ってくれているおかげなのですね。
その様子を、一度、みんなで順番に見に行く時間を取った方がいいかなあとも思っているところです。

おしまいは、10番で。
本当に、お疲れさまでした。

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今回も、熱くなった心をお土産にして、ニコニコ帰っていく皆さんの後姿を見ながら、スタッフの気持ちも弾みました。

その後が、またまた綱渡り(笑)
みんなで昼食を食べながら振り返りをした後は、この間宣伝に来てこんにゃく体操を披露してくれた沢井さんたちが出演する『イワンのばか』を見に行かなくては!

ということで、急ぎ荷物を置きに帰り、着替えをし、慌てて駆け込んだこんにゃく座の公演は、始まる前からロビーで出演者のうたごえが響き、思わず一緒に歌い踊り出したくなるような、幸せな空間が広がりました。

次回、2月23日、風邪ひきさんは、早く治して元気においでね。
待ってるぞう!

Text  by あのじ

photo by まのじ

 

  定点観測 かなりしくじってしまったのですが

  こんなお天気でしたという記録でのせました。   ま(^^♪

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