つながる…つながる…

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「12月8日、今日は何の日?」って聞かれたらね、以前は2つに分かれたそうな。

答えによって、年代が分かると言われたけれど、今やどちらも「??」の人が多くなっているかもしれないね。

 

「平和」っていったいなんだろうね。

アフガニスタンの人たちの命を救うために、一身をささげてこられた中村哲さんが、何者かの凶弾に倒れたというニュースを聞いて、言葉もなかった…

 

そんな中での練習だ。

みんな、終わった後に、何を感じて帰っていくのかな。

 

「今日は、子どもたちの9番からやりましょう。さあ、いくよ!歌える人で歌ってみよう。」

♪「ぞうをかしてください」

「ストップ!」

「え~~と、何か書くものないかなあ、あ、あった!」と、酒井さんが取り出したのは、何と10Bの鉛筆。

みんながわかるようにと、ホワイトボードに貼り付けた歌詞カードに書き込み始めました。

この「を」はね、[WO]。(あ、これは、この前も言われたね、忘れないでね。)

「かして」の「か」に気をつけて。「し」は「内緒にする時のし~」(これは、無声の「し」っていうんだって)。

 

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もう一度最初から。

♪「ぞうをかしてください」

「うん、よくなった。子ども達、すごいなあ。ぞうは誰に貸してほしいのかな?」

「もう一回やってみようか。」

♪「ぞうをかしてください(だれに?)わたしたちに」

 

♪「ぞうをまだみたことのない」

「ストップ!」

「あのね、これはね、今回はやるのやめようと思ってたんですけどね、スタッフの人がどうしてもやれって目で見るから、やっぱりやっちゃいますけどね(笑)…」(そうそう、ぜひやって!)

 

「さ、みんなまねしっこで紙飛行機折って!折れたかな?じゃあ、それを持ってね、ぞうを の後に飛ばすんだよ。墜落しないように、ふわ~っと飛ばしてね」

「はあい」

♪「ぞうを まだ」

「あ、いいね。そんな感じ」

 

「たくさんの く に気をつけようね。」

「みんなは、だれに気持ちを伝えたいのかな?自分かな?あなたかな?それとももっとうんと遠くの人?」

「そんな遠くはみえないよう~~」と子ども達から合いの手が(笑)

 

こんな調子でキャッチボールが繰り返されて、子ども達の酒井さんを見る目はらんらんと輝き、それを見つめる酒井さんの眼も実に優しく温かく…

子どもたちがどんな反応をしても、酒井さんはニコニコ!

「おかあさんも、おとうさんも、おばあちゃんも、おじいちゃんも、子ども達があれこれとふざけたりぐずぐずしたりしても、決してちゃんとやりなさいなんて、叱らないでくださいね!ここは楽しむために来ているところですから…」

見守る大人にもその温かい気持ちが伝わってきたところで。子ども達は体育館へ。

 

さて、大人の番だ。

「6番行きます」

♪「動物園に銃声がひびく」

「この最後の  のクレシェンドで一番強くなるところは、クレシェンドが終わった次の小節の頭の八分休符のとこですよ」

♪「毒入りのえさを食べ」

「ここ、歌うんじゃなく、語って」

「勝手にテンポをつくらないで、♪死んだ の前は、あわてない」

「甘えて立ち上がったクマの は、楽譜通りに振るからよく見て。クマは、漢字の熊で!」

必死に食らいつく大人の眼も、ワクワク輝くのがはっきりとわかります。

 

この曲では、軍人のセリフや園長のソロもあるけれど、まさか今日園長のソロも入ると思わなかったから、びっくりしたなあ(尤も、一番びっくりしたのは、モリヤンだったかもしれないな…笑)

 

そんなこんなで、あっという間に、濃密な大人の時間が過ぎ、子どもたちと再び合流。

大人の練習した6番、7番から9番、10番、11番へと続きます。

子どもたち、すごいよ!

大人もがんばれ!

 

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あっという間にお約束の時間がきちゃって、本日はこれにておしまい。

あ~、お名残り惜しいこと。

大人の皆さんは、今日酒井さんから受けた注意事項、ちゃんと書き込んでるかな。

こんな素敵な練習だもの。1分、1秒が実に大事。

休むともったいないし、練習開始の5分前までにはちゃんと集まろうね。

 

そうそう、今日は、12月3日の由布院小学校の「ぞうれっしゃ集会」の報告もしたよね。

みんな、びっくりして聞いていたけど、ほんとにすごかったよ。

体育館に全校400人の子ども達と、教職員の皆さんと、町のコールあさぎりの方が並び、歌う姿は圧巻!それを保護者の方達が聞いてるの。

伴奏は、今回この集会のことを教えてくれたYさんを初めとする3人のお母さんたち。

なんとこの学校は、音楽専科の先生もいらっしゃらず、自分の子ども達が卒業した後も、こんな形で支え続けてこられてたの。大人の曲の指揮をしたのも同じように卒業生のお母さん。

最初に、6年生(の委員の皆さんかな?)10名が保護者の方に向かって、集会の目的やこの曲の話もしっかり説明した後に、「きちんと平和の意味を考えながら聞いてほしい」と呼びかけがあって、そして、1番開始。

その途端、あのじもU子さんも涙があふれてきちゃって。

川口ぞうも来年30年になるけれど、由布院小では、「30年間、毎年続けて、全校児童と先生たちが一緒になって、ぞうを全曲歌い続けて」いるのは、ほんとにすごい!

「日本中どこを探してもそんな風に平和が大事って続けている学校はないから、みんなで自慢してね。川口ぞうも負けずに頑張って歌い続けます」って由布院小の子たちに伝えてきましたよ。

校長先生の話では、「来年も歌いましょう」と言われたので、31回目も続きますね。

練習に来られなかった人は、U子さんが書いてくれた今日の「こあ」のレポートを見てね。レポートの中でどうして由布院小学校で歌われるようになったかも詳しく書いてあるからね。

 

さあて、今日も、何人も新しく加わってくれたり、由布院ともつながったりして、ほんとうに不思議だなあ。

「ぞう」がつないでくれる縁を大事にしなくちゃね。

 

じゃあ、次回は12月22日。今年最後の練習だ。

インフル、すごいよ、負けないでね~!

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元気にやって来るのを、待ってるぞう!!

 

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Text  by あのじ

Photo by まのじ