梅雨の晴れ間の…

6月18日

梅雨入りしたばかりですが、朝からピーカン!

(雨降るのも嫌だけど、ここまでピーカンもね)なんて言ってると、バチが当たりそう…

今日は、練習会場が15号棟2階の集会室になって、重た~いキーボードをエンヤコラサアと運ばなきゃいけなくて、雨が降ったらとっても困る日だったんですもの。
神様、文句言ってすみません🙇

 

9時前

くのいちさんが集会所のカギをあけてくれました。
健ちゃん&わのじさん親子は、いつものように「おはようございます」とニコニコ登場。
まずは、ベランダの戸を開けて、エアコンを掛けましょう。それから部屋の中の机も椅子も、ぜ~んぶ出して、と。
受付は、邪魔にならないように、外ね。
廊下に机を並べて、そこに荷物を置いて、その下に新聞紙を敷いて下駄箱替わりにしましょう。
いつもの椅子並べとは違ったけれど、わのじさんの指示で健ちゃんはキビキビ、キビキビ。ほんと、助かります。

 

一通り椅子が並んだので、次は二人でかわいい「川口ぞうの旗」を持って、皆さんが迷わないように15号棟の前に立ってくれることになり、もう一か所間違えそうな学校の角には、背の高いびんちゃんが立つ事になりました。
後で何人もの方から「ほんと、助かりました~」のお声をいただき、やったぜ!

実は、この旗、前に名古屋で木下サーカスと歌う企画があって、50人ほど川口ぞうからも参加した時に、ほのじさんが作ってくれたものなんです。またまた登場してくれて、まあ嬉しいこと!

 

そんなこんなしているうちに、キーボード到着。
モリヤンが試し弾きを始めました。
「へえ。こんな機能もあるんだ」なんか、モリヤン嬉しそう(笑)
「でもこの椅子じゃ、高さが調節できなくて遠藤さんには低すぎるから、3つ重ねようか」というわけで、椅子を3つ重ねて高くしました。

9時半すぎて、受付を済ませた人たちがぞくぞく集まってきました。
がやがやしているところに、Kちゃんがやってきて、私にそっと耳打ち。
「あのね、今日、私の誕生日なの」
「え~、それはおめでとう!みなさ~ん、今日が誕生日の子がいましたよ!」
「お名前は?」
「Kです」
誰からともなく、「HAPPY BIRTHDAY」の歌が始まりました。
祝ってもらったKちゃんの、なんて幸せそうなお顔だこと!
「いくつになったの?」
「9歳です」

そっかあ。
きっとKちゃんは、歌と一緒に注がれたたくさんの温かなまなざしを、ずっと覚えていてくれるのではないかしら。

世界中の子ども達が、こうやって一人ひとり誕生日を祝ってもらい、明るい笑顔を浮かべられる、そんな日がどうか一日でも早くやってきますように!

10時

柴ねの健康体操を終え、練習開始。
今日は、去年の11月に「さかいさんといっしょ」の企画の時に素敵な音色を聴かせてくださったフルートの嶺井千奈さんが練習を見に来てくださってます。
まずは皆さまにご紹介。
「よろしくお願いしま~す」
酒井さんも嬉しそうに登場。
「皆さん、おはようございます。今日は子ども達は、まずは向こうのお部屋で練習してきてね」
「はあい!」

いってらっしゃ~い!

さて、ここからの酒井さんのお話や練習のこと。
たっぷりお伝えしようと張り切っていたのに、突然の電話がなって。
「あのじさ~ん、大変」学校の角に立ってくれていたびんちゃんからでした。
「え、どうしたの?」
「実は~~~~」

駐車場の問題が発生していたのであります。
そのことは、ここでは省略しちゃうけれど、いろいろ考えさせられることも多くありました。

というわけで、せっかく熱の入った酒井さんとの練習もほとんど出たり入ったりの繰り返しになってしまい、ちょこちょこっと中途半端にお伝えするのも気が引けるので、細かいことは、練習の時にお隣の方にでも聞いてもらうことにして、ここは子ども達の練習の様子も含めて、写真をご覧いただくことといたしましょう。

大人は1番と3番をたっぷりと。
練習会場がこれまでの体育館から狭い部屋になったこともあって、他の人の音も聴きながらハーモニーを創っていく感覚が味わえる場面が多かったのではないでしょうか。

  

子ども達は、4番、8番、11番。その合間に本番会場に飾る折り紙を折ったり、次回に決めるセリフやソロの希望を募ったり、セリフを言ってみたり、いろいろやってたようです。

    

あ、そうそう、いろいろ学校と集会所の間をバタバタ走り回っていたのですが、そんな私を慰めるかのようななんとも柔らかな歌声が、歩きながら聞こえてきたのです。その歌声は、なんと学校の角に立っていたびんちゃんの耳にも届いたそうです。

本当に驚きました。

この歌声を聴きつけて、「何かやっているのかな」とわざわざ覗きに来てくれた人も何人かいらしたんですよ!

 

合流してからは11番。

「いいかい、子ども達、わあいゾウだ、でっかいなあ~~~よろしく頼むよ!」
酒井さんの一言一言に反応し、言葉を返す子ども達。
それら一つひとつのキャッチボールが、子ども達の声をより魅力的なものに創り変えていくのがしっかりと感じられ、聴いていた嶺井さんの心も大きく揺り動かされたようです。

  

はい、今日の練習はここまで。

いつもと同じように、皆さんすぐに椅子を片付けようとしてくださったのですが、今回はそれよりも
「まずは外に出てくださ~い」
そうなんです。人がいると残念ながら、狭くて椅子も机も片づけられない。
「後は、スタッフがやりますから~」
それでも、何人か残って下さり、ワヤワヤ大きな声で片付けをしている側で、少女の特訓が始まりました。

モリヤンが思わず、「し~っ!」
ああ、ごめんなさい。
かれんさんの伸びやかな声が聴こえてきました。
酒井さんから、いくつか指示がでたようです。
さて、本番ではどんな少女が誕生するのでしょうね。
楽しみもうんと膨らんできました。

次回は25日。
またこの集会所で、しっかり音を創っていきましょう。
今度は、間違えないできてね(笑)
またね。

Text by あのじ
Photo by くのいち ホープ森山 あ

【追伸】

子どもが泣いてぐずったSさん。
合唱の邪魔になると思い、困って叱ろうとするSさんに、酒井さんから一言。
「お母さん、泣いてる子どもを絶対に叱らないでくださいね。僕は気になりませんから。子どもは何か理由があって泣いてるのですから…」

 

わあい、さかいさんが かえってきたぞう~!

6月10日 くもり

雨の予報も出ているけれど、せめて練習の行き帰りだけでも降りませんように!
前回研究所の前の紫陽花の植え込みで見つけたびわの実、今日はこんなに落ちちゃって…

9時前
準備開始。
頼みの綱の健ちゃん&わのじさん親子は、別のご予定で来られない。
さあて、困ったぞう。椅子出し、どうしましょ。
みんなでやるしかないものね、早く来た人に頼みましょ。
時間がかかっても、慌てず怪我のないようにね。
そんなこんなゆっくりズムでやっているうちに、あ、もう10時だ。

おはようございます!
まずは寺ちゃん体操からね。手と手の先は、くっつくかな?
 

体操が終わって…
「みなさん、ただいま!」
わあい、地球の裏側から、酒井さんが帰ってきたぞう!
みんな、ニッコニコ。
なんと、酒井さん、行きはニューヨーク経由で2日、帰りはヨーロッパ経由で3日もかけて、ぐるりと地球を一周してきたそうな。
その間も日付変更線を超えるので、時間が増えたり減ったり(笑)座り続けで大変だったみたいですが…
「でもね、子ども達、できるだけ早く外国に行って、いろんなものを見てくることいいね。言葉なんて話せなくっても、ちゃんと通じるから」
「はあい!」

もっとお話聴きたいけれど、時間がなくなっちゃう。


さ、行こうか!
「まずは、練習してた8番聴かせてもらおうか。」
♪ぼくたちは、ゆめにみてた~
「いいね。でも、少し不安な感じだね。ぼくたちは、何を夢見てるの?どんな気持ち?」
「わたしたちは、のところは、僕たちは、の歌い方と違うんだよ。ちょっとミステリアスになるように。そうだ、タオルしぼりながら、わたしたちは、って歌ってみて」
あれあれ、絞れない子がいるぞ!
そっか、今はそんなことする場面がないのかな。
「片手を上に、もう一方を下にして、中へぎゅっと」
大人の人、見本見せてね。

「じゃあ、今度は大人の方に向かって、歌ってみようか」 

 

大人はいつも子ども達の背中を見るだけで、一生懸命歌っている表情を正面からみたのは始めてだったかもしれませんね。
何とも愛おしそうな柔らかな笑みがたくさんこぼれてきました。

次は、9番
♪ぞうを貸してください(だれに)わたしたちに~
出た!
酒井さんの(だれに)を聴いて、古いメンバーは懐かしく、思わず顔をくしゃくしゃにしました。
そう、ここは子ども議会の代表が園長さんにむかって、どんなふうに何をお願いするのか、とっても大事なところなんです。
「もう一度歌ってみようか」
♪ぞうを貸してください(やだよ)
「子ども達、今のままじゃ、貸してもらえないから、ぼくのここまで届けて」
酒井さんは、どんどん下がっていきます。
「そう、ここまで届けてよ、子ども達!」

     

♪ぞうを(wo)まだみたことのない たくさんの子どもたちに~
この「ぞうを(wo)」は、紙飛行機が落ちないように、ふわっと投げるようにね。
この曲は音が高くて大変。
遠藤さんに1度音を下げて弾いてもらいました。
なるほど歌いやすくなるけれど、やっぱり響きが違います。
この間モリヤンに聞いた通りですね!

いろいろ言われることも、子ども達なりの納得感があるのでしょう。
酒井さんをまっすぐに見つめて、食らいついていきます。
「子ども達、おつかれさま~、じゃあ下へ行って遊んでおいで!」

子ども達が下へ降りていきました。

では、大人は7番23小節めから。
ここは、「う~」ではなく、「あ~」で。
本番は「う~」に変わるから、今のうちに「あ~」で歌って、自分の音と響きをよく聴いて!

17小節目は6拍子の変則
最初の「動物のエサはたりず」は2+4、その後の「空襲の続く街を」は4+2。「荷車を引き」はテヌートで。「エサを探し回った」の後は、口を開けたままで…
細かい指示が続きます。
♪寒さにふるえて
「ふ・る・え・て」顔を前に出して、アルトは低いけれど、一音一音しっかりと響かせて。
「マスクのせいにしないで。何を言っているかわからない」
「デクレッシェンドは、早く弱くしすぎないで。デクレッシェンドの頭が一番強い音ですから」
♪ぞうのキーコが死んだ
「キーコが」の後に少し間を取って「死んだ」へ。その後も、もっと目を開けて!
♪おなかをすかせて
一音一音、すべてテヌートで。
「男声は、音を上から感じて、下がらないように。リンゴを上に持ち上げるようなつもりで。支えて!」
 
♪平和な日々がきて
ここはとりあえず、全員で歌ってみましょう。音がさがらないように。繰り返しになる前の「その日まで」のところは、クレッシェンドをかけて。

前奏は「ド-ファ」の4度の和音、これは実は祈りの和音なんですよ、宇宙的な空間を感じて!

     

8番、9番も、音の響きをつかむ練習が続きました。

8番
127小節からは、全員で。

9番
♪すみなれたどうぶつえんで
ここの「どうぶつえんで」は、ひとつひとつ音を丹念に拾って…
100小節目からの「う~」、ここも響きを確かめるために「あ~」で歌いましたが、最終的にどう歌うかは、酒井さんの指示をまちましょう。

白熱した練習が続く中、子ども達が上がってきました。
ちょっと待っててね。

子ども達、静かに待っててくれて、ありがとう!
わあ、待ってる間に、こんな素敵な4頭のぞうさんたちもできあがったみたい。

最後は間を置かず、全員で8番から10番まで。
大人の皆さん、9番は子ども達がとってもよくなってるので、後は大人の問題みたいですよ~!

練習回数もあとわずかになってきましたが、今日はこれまで以上にパワーアップした酒井さんに導かれ、不安よりも楽しみの方が大きくなり、胸の奥まで熱くなるようなすばらしい練習ができました。

よろよろ釜たき機関車だけど、今日の練習で石炭いっぱい積めたから、がんばって明日も走るゾウ~!

 

6月11日

本降りの雨。
今朝は、健ちゃん&わのじさんが張り切って来てくれて、大安心。

だけど、大人だけの練習とはいえ、連日だし、こんな雨の中、果たして何人来られるかしら…
なんて思いながらも、準備開始。

ところがところが、なんと蓋を開けてみると、30人近い人が集まってびっくり!
最初は女声と男声分かれて音取り中心の練習を予定していたけれど、前日の酒井さんの練習を受けて、全体でやってみることにしました。
まずは1番、44小節目、4つのパートに分かれるところから。

そして、8番、7番と続きました。

 

何をやったかって?
モリヤンは「アゴーギグ」とか「アーティキュレーション」とか「3度の和音の美しさを発見したのはベートーヴェン」とか、専門的なことも含めていろいろ伝えてくれたようなのですが、ちょいと事情がおましてな。いろいろ聞き逃しました🙇


その代わり、今日も、土砂降りの中、これまで練習に来られなかったママが、遠くから5歳と2歳の可愛い子達を連れて来てくれたり、ウルウルする話はいっぱいあったんです…

  


 

晴れ晴れとした顔で、「ああ、やっぱり歌えてよかった」と二人を連れて帰っていく後ろ姿のなんと明るかったことか!
そして、その後姿を見守るいくつものまなざしが、優しく、深く広がって…

休憩中に、お隣さんに話しかけ「はじめまして、よろしく」とご挨拶する、こんな姿もありました。

がったんごっとん山坂越えて、「ここに くれば あえるね」を大事に続けてこられて、ほんとにほんとによかった!
そんな想いが溢れる一日となりました。

次回は、18日。今度は会場が15号棟集会所に変わりますよ。
間違えないように、学校の角に「ぞう」のかわいい旗を持って誰かが立っていると思いますが、皆さん、気をつけて来てね!

じゃあ、またね。

Text by あのじ
Photo by くのいち あ

モリヤンだって、二刀流だい!

6月4日

前日までの激しい豪雨は多くの地域に被害をもたらし、埼玉県でも各地で避難情報が流れました。天を仰いで祈らずにはいられません。

そんな中ですが、今日も重たい花束を荷車に積んで、がったんごっとん運びます。
どうか、このチラシの花束が、多くの人の心に届きますように!

研究所の玄関先の紫陽花がきれいに咲き始め、覗き込むとせっかくたわわに実ったのに、誰にも手に取ってもらえないまま落下したびわがひっそりと。

9時前

今日の一番乗りは、ほのじさん。
重たい荷物を抱え上げ、元気に体育館へ。(助かります~)
たちまちに梯子を上り、窓を開けたと思ったら、外に向かって「おはようございます」
??、あ、健ちゃんとわのじさんが来たんだ!


10時

体操が終わって…
本日酒井さんは、ブエノスアイレスから中継(なんてわけないよね…笑)
代って登場するのは、我らが園長モリヤンです。

「おはようございます。今日は私がやります。酒井さんからの指示を受けていますので、大人は少し丁寧に音を取っていきましょう。子ども達は、下でがんばってきてね。」

はあい!
子ども達は、それぞれ荷物を背負って、勇んで降りていきました。

大人は、まずは8番から。
この曲は、子ども議会が展開され、最後に大人が絡みます。
ここは、子ども達の「生きている象がみたい」という切実な想いを包み込み、一緒になって押してあげていきます。一音一音、楽譜をなぞってみると、あれあれ、ここ、こんな音だった?

そして9番。
「象を貸してください」と訴える子ども達に、園長さんがどう応えるのか。
モリヤン、指揮をしながら、園長のソロもこなして…
大谷君以来、流行り言葉になった「二刀流」がここでも展開されています。
本当に負担をかけてますが、何しろモリヤンが入ると、合唱の厚みが全然違ってきますからねえ。

ここでは、園長さんが「象を本当に大切に思うなら、見守ってほしい」と子ども達に伝える場面を、ソプラノ、アルト、テノール、バスに分かれて、それぞれの音で支えなければなりません。テンポは、園長に委ねられますが、大人はしっかりと厚くハーモニーをとって、役目を果たさなければ…

(あ、もしかして、わたしハモってる?)
歌いながら、そう感じた人も多かったのではないかしら。
「合唱とは、お互いに聴き合うもの」モリヤンはそう言いましたが、もしかすると初めて「ハモる」合唱の喜びを味わった人もいたかもしれませんね。

「『見守ってあげてほしい』の『げ』は、何度も言いますが鼻濁音に!」
「はあい」皆さん、楽譜の「げ」のところには、注意の〇を。

モリヤンからは「調性格論」という音楽用語も教わりました。
確かに同じ旋律でも、シャープやフラットがついて、調が変わると、曲の感じ方が全然違って聞こえます。なるほど!

気持ちが高まってきたところに、いきなり誰かが
「あ、地震!」
窓ガラスがガタガタ音を立て始めました。
立っていると全然感じないのですが、揺れているよう。
「森山さ~ん、危ないから移動して!」
何人も叫ぶのですが、モリヤン、全然気づきません。

今回は天井からライトが落ちてくることもなく事なきを得ましたが、今はいつどんな災害が起こっても想定外とは言えなくなっていて、練習中も本番も、いろんな課題があちこちに転がり、気を抜くことはできないと改めて感じたのであります。

ところで、下で練習している子ども達はどうだったのでしょうか。
10番で声慣らしをした後は、酒井さんから出された宿題の1番と8番をがんばってやっていたそうな。

地震の時は、ちょうど休憩しながら遊んでいたので、誰も気づかなかったようです。

 

11時過ぎ

大人も少し休憩しましょう。
休憩しながら、楽譜の持ち方も教わりました。
「両手に持つと、どうしてもその重みで体がうつむいてしまうので、それを避けるために、どちらか片方の手で持って、歌っているページに指を挟み、空いている手でページをめくる」
だそうです。
試しにやってみたけれど、これは少し慣れが要りますね。

ちなみに、遠藤さんは?

なんと、めくる手間がかからないように、楽譜をページごとにPDFに撮って電子楽譜になっていました!本番では、もっと小さなタブレットを使うそうです。
「文明の利器」って、こういうのを言うのかしらん。


11時15分

子ども達が戻ってきました。
ここからは、それぞれの練習の成果を持ち寄って、8番、9番、1番を合わせます。
子ども達、体育館では間が開きすぎて不安で声が小さくなるので、声をまとめるために、気をつけながら距離を縮めて二列に並んでみました。
ああ、確かに声が変わりましたね。

  

 


最後に、10番を元気に歌って、今日の練習はこれにて終了。

おしまいに質問が出ました。
「本番当日の服装は、どうなるのですか?」
「はい、川口ぞうは、これまでずっとお揃いにはしてきませんでした。今回も自分の判断でそれぞれ自分らしいご自由な服装で歌ってください。ただし、すご~い羽飾りのついた帽子などは、後ろの方が見えなくなるので、かぶらないでね!」
はてさて、皆さんは一体どんな格好でステージに並ぶのかしら。
本番の楽しみがまた一つ増えちゃった(笑)

「私、ちょっと気後れしてたけれど、手紙を書いて誘ってるんです」
「私もがんばってみます」
何人もの方から、帰りがけにそんな風に声をかけてもらいました。
もうそれだけで、胸がいっぱい!
いろんな事情もおありだろうに、結果どうあれ、自分も一歩踏み出そうとしてくださるその「想い」の熱さ、深さ…
「心を一つにすれば、夢だってかなう」って歌ってるんですものね。
きっと素敵な本番が待ってるに違いありません。

また元気に10日に会いましょうね。
風邪で体調を崩す人も出てきています。
どうかくれぐれも気をつけて、
次回は、アルゼンチンの風を受けて、パワーアップした酒井さんが帰ってくるゾウ~!

お・た・の・し・み・に!

Text by あのじ
Photo by くのいち あ

【追伸】

50年前の6月4日は、『はだしのゲン』が初めて雑誌に掲載された日だそうな…

花束をあなたに!

5月28日

朝起きて、いの一番「どうか、雨粒が落ちてきませんように!」

そうなんです。
今日は大量の荷物を台車に載せて、がったんごっとん運ばにゃならんのです。
え、何を運ぶかって?
それはね、スタッフから団員の皆さんへお渡しする「重た~い花束」(笑)
どっさり積んで、いざ出発!
荷車を引き、エサを探し回った飼育員さんの気持ち、ちょっとだけわかった気がします。

9時前

椅子並べは、すっかりベテランになった健ちゃん&わのじさん親子にお任せし、集まったスタッフは「重た~いコンサートチラシの花束」を20枚ずつ仕分けるための作業開始。
何しろ、9時半の受付開始まで間に合わせなくちゃなりません。
こんな日に限って、来られないメンバーが何人もいるもんだから、大わらわ。
この「重た~い花束」を玄関から3階の体育館まで抱え上げて運んでくれたわのじさん、お腰は大丈夫?
「大丈夫ですよ。まだまだいけます!」ですって。
本当にありがとうございます。

  

このチラシは、一人ずつ仕分けしておいたチケットと一緒に渡す、コンサート成功のための大切な宝物。
なんてったって想いがこもってますもんね。

10時

柴ねの体操が終わり、酒井さんの第一声。
「今日は最初から通してみます。練習していない曲もあるので、そこは気にせず、とにかく歌ってみましょう。それじゃ、子ども達、行くよ。はいっ!」

サーカスだ、サーカスだ…
あれあれ?どうした、子ども達。
そうなんです。酒井さんすみません。この子達、まだ一度も1番の練習やってないんです。
けれど、子ども達。酒井さんの指示を一生懸命聞こうとするので、ぐんぐん声が変わっていきます。
今回初お目見えの団長Hくんも、つられて元気に「アドン、エルド…」

支えているはずの大人のほうは、はてどうかしら。
酒井さんからこんな指示が出ました。

「♩=120 と書いてありますが、ここはテンポを126くらいに少し速めにします。テンポについては、3番は重さを出すために遅くしたり、大幅に変えたいと思っています」

すごく大事なことが出てきました。
間違えないで歌うことももちろん大事だけれど、ちゃんと酒井さんを見て!
これまで歌ってきた人は、特に酒井さんのテンポにしっかりとついていかなければ…。不安な人は、片方の目で楽譜を見て、片方の目は酒井さんかな。
大丈夫!酒井さんを見ていれば、必ず歌えますから。
試しに一度は楽譜から目を離して、酒井さんだけを見て歌ってみませんか。
間違えたって平気。

「ミスをミスとすることがミス」ですって。
間違えたら知らんぷり。誰かのせいにしちゃえ~!

拍手は、しっかりと手を開き、音を張って!
ああ、みんないい音になってきました。

前と指示が変わったところもありました。
「♪こどもたちの夢の世界~」の「こども」は音を切らないで、スラーに。
いろいろ出てきました。

次は2番。

少女ソロの西山かれんさん登場。なんて、初々しい!
子ども達は、初めてのソロに驚き、ぽかんと口を開けて聴いてます(笑)
最後、ピアノの音が消えたあとも、声はそのままに…
わあ、すごい、みんなで拍手!
なるほど、これはほかの曲でも必要な場面があるんですね。


大きな拍手に送られ、少女が去って、3番へ。
この曲、大人ももちろんがんばったけど、何よりもその練習を座ったまま静かに聞く子ども達がすごかった!そんな子ども達に大拍手!


今までは、大人と子どもと完全分離で練習し、合流する流れできたけれど、酒井さんの練習では、子どもも大人もそれぞれ自分たちの歌っていないところがどんな風に流れるか、それを聴いたり歌ったりしてみることで、そのことが曲を理解するためのとても大切な時間だということに気づき始めました。

3番も、男声女声、それぞれどこを歌うのか、楽譜どおりなのか、それとも補い合うのか、最終的には仕上がり具合を見て酒井さんからの指示が出るまで、しっかりと全体を把握して、どこに気をつけて歌うのか、体にしみこませておきましょ。

さあて、子ども達、本当にお疲れ様。
少し休憩ね。後ろで遊んでおいで!

マイけん玉を持ってきた子もいたり、子ども達なりに休憩時間の過ごし方にもなじんできたのかしら。

  


やっぱり子ども達は遊びが好きなんですねえ。発散した後の4番は、とってもいい声だったもの。

休憩後は、4番、5番、6番、そして7番を飛ばして8番と、一気に進んでいきました。
次回の酒井さんの練習は、8番から終わりまで。そして4番に返るそうな。


子ども達の8番はそろそろセリフやソロのことも考えなければね。
やることいっぱい。でもすごく楽しそうないいお顔。
ある低学年の子のお母さんから、こんなメールが届きました。

「息子は合唱の楽しさをクラスメイトに話したそうです。また、息子は合唱が楽しい、歌うと気持ちが洗われて綺麗になる、と話しています。素敵な時間を有難うございます」


この3年間、再開を待っている間にも、自分自身や家族のことで苦しい思いをした人が何人もいました。コロナ禍の中での病気や介護、仕事、子育て。中には学校に行きたくなくなった子も…

ある人は言いました。
「突然の家族の病気とか、大変なことがいっぱいあるんだけれど、ここに来て酒井さんの指揮で一緒に歌っていると、本当に元気になるのです。だから何とか練習に出ようと思って、今日も来ました。やっぱり来てよかった」と。

きっと、体育館の中では、いろんな人生が織り重なっていることでしょう。言葉に出すことはなくても、恐らくこれは、この空間を共有した人の共通した想いのはず。そんな想いを酒井さんがしっかりと受け止めて、指揮棒にエネルギーを託します。

子どもだけの参加で、いつもは練習の場にいなかったお母さんが、チケットを受け取った後の練習の様子に感動して、一緒に歌いたいと楽譜を買って帰ったそうです。

それから、どうしても酒井さんの指導を受けたいと、介護のために移った鹿児島からはるばるご夫妻でやってきたMさん。
練習の後に「もう本番まで来られないと思っていたけど、これからの練習も出た~い」と言って帰っていきました。

今、そんな練習を重ねられることを誇りに思い、絶対に素晴らしい本番になることを確信しています。
そして、なんとしても一人でも多くの人に私たちの心を込めた歌声を届けたいと、心の底から願い、新たな決意をしたあのじでありました。

これからは毎週の練習になりますよ。
風邪なんかひかないように、気をつけてね。

Text by あのじ
Photo by くのいち、あ

【追伸】

練習中にこんなことも…
Oさん、休憩中に携帯をみると、「孫が生まれた」との連絡が入っていたそうです。
思わず、その辺りにいたみんなで「おめでとう!」
「生まれてきた子に何が残せるのかしら」
Oさんの歌声には、いっそう力がこもったように見えましたよ。

釜焚きスタッフも、がんばるぞう!

 

 

5月14日   

雨の予報が気になるけれど、せめて練習の行き帰りには、降りませんように!
天の神様に手を合わせる。 

練習再開からちょうど2ヶ月。ゆっくりと車輪を回し始めた川口ぞうだけど、いろいろな課題も整い始めたし、これからはスピードを上げていくぞう!


9時前

今日もわのじさん親子が一番乗り。椅子並べ、健ちゃんはもうベテランね(笑)
喚気のための窓開けは、ほのじさん。梯子に登るときは、くれぐれも気をつけて!

 


9時半

受付準備も整ったところで、新しい参加希望者の方がやってきた。
「はじめまして~」
「板橋から来ました。ネットで川口ぞうを知りました。30年前くらいに大阪で歌ったことがあります。その時はbassのパートを歌ってました。よろしくお願いします」

はあい、こちらこそ、どうぞよろしく!
なんか、嬉しい。

10時

寺ちゃんの体操。あれあれ、子ども達、今日もちょっと硬いね。
お口の周りもほぐしましょ。

では、酒井さん、お願いします。
あ、その前に、今回は、男声陣は、2階に降りてモリヤンと特別練習。
いってらっしゃ~い!

「今日は10番からやりましょう」
子ども達、酒井さんの言葉をまっすぐに受け止めて、酒井さんの表情をまねて一生懸命歌おうとしてる!


ほら、大人も心配はいらないから、楽譜ばっかりみてないで、酒井さんを見て!

 

  

 

子ども達と入れ替わり、男声陣が戻ってきてからは…

「それでは、7番」

ピアノの重い伴奏から始まるこの曲。飢えと寒さの中で死んでいくアドンとキーコを描く場面から、一転切り替わり、生き残ったマカニー、エルドを前に「どうか生き続けて」と心の底から湧き上がる想いを切々と伝えていかなければいけないところ。「ぞうの中では、ここのフレーズが一番好き」という人も多いけれど、でも自分たちの想いが果たして音となって聞いている人に伝わるのかしら。本当にそれが難しい…

「11番。ここにはたくさんの言葉の宝石が散りばめられているんですよ!」
みんな、心を合わせて、そして酒井さんを全身に感じて!

気がつくと、ものすごい熱量が体育館を包み込んでいて、そんな中へ子ども達が帰ってきたよ。

休む間もなく、再度10番、11番。
誰一人欠けることなく、最後まで集中しているその姿を見て、泣き虫あのじはまたもウルウル…


練習が終わって家に戻ると、こんなメールが届いてた。
この方は、今回体調を崩され、先に残念ながら参加を諦めるとの申し出があったのだけど、どうしても酒井さんのレッスンを受けてステージに立ちたいと強い想いで闘病を続けてこられ…

「退院しました。歌ってもいいと許可が出ましたので、次回からまた参加させていただきます。Sさんから練習の様子を聞いています。酒井さんの熱量がすごい!と言ってました。私もぞうれっしゃの一員として終点まで走り切りたいと思います。よろしくお願いします🙇‍♀️」

この3年間、いろんなことがありながらも、こうやって、一人ひとりの熱い想いがつながって、漸く本番が見えてきた。
次回までにはチラシ、チケットも出来上がってくるはず。
さあて、この想い、あなたが真っ先に伝えたいのは誰?

釜焚きスタッフも、本番成功に向けて、もうひと頑張りもふた頑張りもしなきゃね(笑)
がんばるぞう~~!

Text by あのじ
Photo by くのいち、ホープ森山、あ


追伸【子ども達の一コマ】

コロナが5類に引き下げられたとはいえ、全体の練習会場を体育館にしなければならないので、これまでのように体育館で走り回れない子ども達ですが、まじめに練習もして、それぞれ休憩時間を楽しんでいます。

   





 

列車の音が聞こえるかい?

4月23日 

今日は川口は市議会議員選挙の日。

忘れないように、あさイチで投票済ませようと出かけたら、なんと一等賞!

一等賞と二等賞は、ご褒美(笑)に、空の投票箱を確認できるの知ってた?


9時前 準備スタート

今日は、わのじさん健ちゃん親子が早くから大活躍。すべての椅子を並べてくれたよ。

10時 寺ちゃんの体操、今日もみんなの体、固いぞう!がんばれ!


体操終わって、酒井さんの練習へ。

今日は8番からスタート。

これは子どもたちだけの曲だけれど、大人も一緒にね。

 

合唱って、自分のパートを一生懸命歌うことはもちろん大切なことなんだけど、そうではないところを歌うのも、曲全体を理解するためにもとっても大事。

「ここは子ども達だけで歌うところですが、正確な音で歌える大人の人は、子ども達と一緒に歌ってみてください」って言われる意味も、よく分かる練習だったね。

自分のパートのところにしても、結構「今まで何度も歌ってるし、ちゃんと歌える」と思っていたはずなのに、実は音が微妙に違っていて、酒井さんから指摘されて初めて「あれっ」て思うところもあったはず。

もう一度、ちゃんと楽譜を見ながら、音を確かめていこうね。

とはいっても、心配ご無用。みんなで歌えば、怖くない!「心構え」の問題だもの。

 

子ども達が下に降りて行ったあとの3番、5番、6番。

ソプラノの華やかな音を支えるためには、アルトがどんなに大事かということもわかったしね。

「ほら、この音、アルトのこの音があるから、ここはこんなに素敵な響きになるんですよ」

なるほど、確かに!アルトやっててよかったな。


酒井さん、今回の少ない練習回数をどうやって乗り切るか、文字通り全身全霊で伝えようと、ひとときも止まることなく、次々に指示が飛び出します。

「●ページの●小節めのラララララ~から、はいっ!」

      


酒井さんが見ているのは「青い楽譜」。でも、団員は全員が「青い楽譜」ではなく、中には「古いベージュの大判の楽譜」を持ってる人もいて、ページ数が違ったりするので、いきなり曲が変わると、どこを歌ったりいいのか、混乱した表情も。

 

あ、これはなんとかしなきゃ…

ということで、酒井さんにはこれからは「何番の何小節目」と指示をだしてもらい、古い大判の楽譜の人は次回までに、楽譜に小節番号を書いてくることにしたのであります。

再開後の練習は、停車期間も長かったし、声も出ないし、体育館で音が散って他の人の音も聞こえにくいし…。

様々な要因が重なって、自信を持って歌えない人も多いと思うので、これからの練習の組み立ても、ちょっと工夫をしていかなきゃ。

でも、戸惑いつつも、真剣な表情で必死についていこうとして頑張ってる姿に、またうるうる。

練習を終えて寄せられた感想をいくつかご紹介。

下手な言葉で綴るより、この感想が、今回の練習の様子をしっかりと物語ってくれてマス。

★今回の練習も楽しかったです!また酒井さんに沢山笑わせて頂きつつ沢山教えて頂き、充実した時間でした。次回までに復習しないと…親子で励まし合っております。

★今日練習した5〜6番あたりはとても難しいですね😣メモを見返しながら復習しておかなければ、と思っています。次回は少し空いて5月14日ですね。また楽しみにしています😊

★本日新しく楽譜🎼を買いました。新しい気持ちで挑みます、よろしくです。

★今日の練習で、10番の初めの子どもたちが歌うパートの遠藤さんのピアノ伴奏を酒井さんが聞かせてくださり、ぞうれっしゃが走っている音に歌がかぶさっているのだと、遅ればせながら(30年以上経って初めて)気づきました。感動。6番の「悲しみの日」の最後の園長さんの歌を一緒に歌ったのも、園長さんや飼育係の方の辛さをより深く感じることができてよかったです。何年、何回歌っても、歌い飽きることはない曲ですね。藤村さんも酒井さんも素晴らしい!

★皆で歌えば怖くない☺音が外れててもどこ吹く風🍃かなり図々しく歌ってます😂これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

★とっても楽しかったです!酒井先生には言葉一つ一つの意味をしっかり読み込み、聞き手に伝えていくために丁寧に丁寧に表現していく 大切さと醍醐味を教えていただいているという実感があります。知っているつもりだった”ぞう列車合唱組曲”との新たな出会いにワクワクしています。”ここに来れば元気をもらえるよ” 周囲の人に言いふらしています。子ども達も大人も増えるといいですね♪

★練習で小節番号を言ってもらえるとはありがたいです。惑わずに済みそうで嬉しいです

★今日も楽しかったし、おもしろかった!そして、嬉しかった!酒井さんステキ。森やんの歌声に聞きほれた。

★酒井先生の指導は心地良くあの魔法にのせられて上手になった気分にさせられます。

芸大生は素質がある上にあんな素敵な指導を受けられるんだから上手になる訳だと納得しながら、よ~し私も暫しの芸大生になろうと変な妄想しながら楽しんで歌っています。

先日の子どもたちに真剣に真摯に対等に向かう先生に感動。目に見えて上手くなる子どもたちの歌声にまた感動……でした。

    


てなわけで、次回は5月14日。

ゴールデンウイークもはさんでの3週間。

皆さま、願わくば、いつも心に「太陽」を、唇に「ぞう」を(笑)

じゃあ、またね。

 

Text by あのじ

Photo by くのいち まのじ あ

さかいさんが やってきたぞう~!

4月9日

今朝は、雲一つない青空。

わあい、今日は、さかいさんがやってくるぞう~!

いそいそと、投票済ませて、研究所へ。

9時

「おはようございます!」

「おはようございます!」

準備を始めるスタッフの顔が、いつもより明るいのはなあぜ?

体育館の窓を全開すると、すごい風!
これは大変。すこ~しだけ、細く開けることにしましょうか。

これでも十分に空気が循環してますね。OK!

受付には、この間申し込みのあったパートCDも忘れずに置いて、と。

あ、これまでの「こあ」も欠席した人用に、置いておかなきゃね。

9時40分

「おはようございます。よろしくお願いいたします」

あ、酒井さんだ!

遠藤さんもご一緒だ!

いきなり取り囲んで、あれやこれや…



「ピアノの位置は、どうしましょうか?」

「そうですね。もう少しこっちの方がいいかな」

「いまやすっかり青年」も二人ほど姿が見えたので、

「みなさ~ん。若いと思う人は、ピアノの移動を手伝って!」

なんて叫んだら、酒井さんが一言

「いや、もうちょっと、男性が来るのを待ってましょう」

でもね、酒井さん、男性陣は来たけれど、腰が痛い人、背中が痛い人でちょいと力仕事は難しいみたいですよ(笑)

で、そんなこんなしながら10時になって…


「おはようございます。今日は、待ちに待った酒井さんの登場です。それから、埼玉新聞の取材が入ります。皆さん、お顔のご準備を!」


まずは、久しぶりに寺ちゃんの体操からね。

ひとしきり体や顔を動かした後は、

「はあい。グッー、パー、グッー、パー、繰り返しましょう」

「いいですね。じゃあ、今度はお箸持つ手でグー、チョキ、パー、お茶碗持つ手は、そのままグッー、パー。これは、考えてたらできないですよ~」

あれあれ、みんな大混乱。

まあ、こんな時は笑ってごまかすと致しましょう!(パチパチ)

寺ちゃんに大拍手!

「あたし、体操やって拍手貰ったの、初めてだわ(笑)」

さあて、いよいよお待ちかね。

みんなの視線の先は、一斉に酒井さんに集まりました。

「お久しぶりです。本当にこんな風に皆さんにお会いできてうれしいです。一番左端の人、椅子をもっと向こうへ移動して下さい。次は右端の人。皆さんはこれに合わせて、前後も大きく開けて」

ずいぶんと椅子の間隔が開きました。

酒井さんが求めたのは、コロナがまだ収束しない中で、少しでも安全に配慮しての練習環境。

「とりあえずは、この間隔を保って、後のリスク対策については、それぞれご自身のご判断でなさってください。」

はあい!

まずは4番。

「それじゃ、子ども達、知ってる子も知ってない子もいるかもしれないけど、この歌を歌ってみようか」

どうぶつえんに、ぞうがきた♪
あれあれっ、ちょっとおっかなびっくり?
大丈夫、元気に歌おう。
「ぞうがきた~~~♪」って延ばして歌ってる子はいないかな?
アドン!エルド!マカニー!キーコ!
「エルドー」じゃないよね。
酒井さんは、どんなふうに歌ってほしいのかな?

大人たちはちゃんと聞いてるかな?
ここは子ども達だけで歌うところだけれど、酒井さんは、子ども達だけに言ってるんじゃないよね。

少しずつ子ども達の声が変わっていきました。
うん、じゃあ子ども達はここまでにして、後は下で練習してきてね。
いってらっしゃ~い。

寺ちゃんを先頭に出発進行!
寺ちゃんが再開後に子ども達の練習をするのは、今回が初めてなので、まずはご挨拶からね。
寺ちゃんと、前回の練習の時も子ども達のお世話をしてくれたほのじさんとのコンビ、やっぱり最強です。

少し休憩しようか。
はあい!
うふふ、このくらい元気な声で歌ってくれるといいのにね(笑)
けん玉、折り紙etc. それぞれにお気に入りのところに突進していきました。
ほんとに楽しそうないいお顔で遊んでいます。写真でお伝え出来ないのが、残念!

せっかくの休憩中も、何人かの子ども達は埼玉新聞の取材を受けたりして、その後に4番のおさらい。

さてさて、その間大人はどうしていたのでしょ。
そっと上がっていくと、「ゆきよ~ふるな~♪」と男性陣の声。
そこに留まってもっとじっくり聞いていたかったんだけど、今日は野暮用多すぎました(泣)💦

ふと気がつくと、子どもたちが階段を上って戻ってくる気配がしました。
そして、体育館に戻ってきた子ども達…

え~~っ!
全員座って、静かに大人たちの練習を聞いてる~!
再開してから、今日で練習は3回目。体育館で声が拡散してしまうという条件の厳しい中で、初めて参加する人も含めて、大人も子どもも集中しているの。
合唱練習をするには本当に厳しい環境だけれど、「ああ、やっと歌える」という弾む心が、それを乗り越える力を与えているのかもしれない。

最後にみんなで歌った10番。
終わった後、声も枯れてへとへとになった酒井さん。
強行スケジュールのアルゼンチン行から新学期に入って間もない3年振りの本格練習、本当にありがとうございました。酷いピアノで伴奏を強いられる遠藤さんも、ありがとうございました。

今日酒井さんから教わったことは、ちゃんとメモしているかな。
「歌詞は、平仮名で書かれていますが、これを漢字で書いてみましょう」
さあて、表現にどんな変化が生まれてくるのかしら。
ほかにもいっぱい酒井さんは言われたはず。
残念ながらバタバタあのじはそれを聞けなかったので、どなたか教えてくださいな~。
みんなで共有して、みんなで進んでいきたいし、音を取るためのパート練習も、どこかで入れられるといいかもしれないね。


「感動的なレッスンでした。先生、スタッフの皆様、ありがとうございました。音取りのCDも、ありがとうございました。しっかり音取りして、次回にのぞみます。」

いろいろと足りないことも目につくでしょうに、こんな嬉しい感想も届き、スタッフ一同、うるうる…
もちろん、酒井さんにもお伝えしましたよ。
酒井さんからは、こんな返信が!

「~~
これも私のレッスンではなく、様々な皆の思いからの「感動的な」だと思います。
スタッフの皆様と、こうして、今日を目指し、"歌う心"を灯し続けた合唱団員一人ひとりが作り上げた、この貴重な言葉です。
私の方は次回に向け、本当の意味で感動的なレッスンとなるよう、さらなる準備をしていきたいと思います。
また、次回、楽しみにしております‼️
次回はさらに頑張ります😤」

もう、お伝えするだけで、泣けてきます。
ほんじゃ、こんどは23日。
新しい環境になって疲れてる人もいるかもしれないけれど、ぞうを歌って元気になるぞう!

Text  by あのじ

Photo by くのいち あ